本記事ではアデニウムが冷害にあってしまった場合の対処法を解説します。
アデニウムが冷害にあってしまった場合、結論から言うと「出来るだけ早く傷んでしまった部分を切り取る」しかありません。
「砂漠の薔薇」と言われるとてもキレイな花を咲かせるアデニウム。
ついうっかり屋外に出したまま忘れていて、アデニウムが冷害にあってしまった経験はありませんか?
本記事では冷害に合った時の対処法を詳しく解説していきますね。
- アデニウムは本当に寒さに弱いの?
- アデニウムに冷害が起きた時どう対処するの?
- 冷害が起きた後の対処法を知りたい!

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アデニウムはやっぱり寒さに弱い植物

アデニウムってネットや書籍で調べると「寒さに弱い植物です」と必ず書かれているくらい寒さに弱いと知られている植物です。
でも本当にアデニウムは寒さに弱い植物なの?と思いますよね?
自分も気になったので実際に試してみました。
結果から言うと、アデニウムは本当に寒さに弱い植物でした。
なので屋外で育てているなら、気温が5℃を下回りだすタイミングで室内に入れるのが安全!
寒さで枯らしてしまうくらいなら早めに避難させてあげましょう。
ここからは本当に寒さに弱いのか実験した内容を書いていきます。

そんなことより「冷害にあってしまった場合の対処法を知りたい」という方は下のボタンで読み飛ばせます。
本当に寒さに弱いのか実際に外に置いて試してみた

「アデニウムは本当に寒さに弱いのか?」気になったので実際に試してみることにしました。
今回実験に協力してもらうのが、アデニウム・オベスムさん。
アデニウムのイメージとして出てくるのがガジュマルのようなタコ足型になる「アラビカム」が有名ですね。
アデニウムアラビカム
一方のオベスムは、枝葉が上に向かって伸びていくタイプのアデニウムです。
アデニウムオベスム
今回このアデニウム・オベスムがどのくらい寒さに耐えられるのか観察していきます!
2024年12月11日、葉が少し枯れだしてきた

実験したのは2024年の12月。
月初めは最低気温が氷点下にならず、比較的温かい日が続いていました。

そのためアデニウムもまだ寒さを感じていないのか、葉っぱに緑の部分が残っています。
アデニウムの胴体部分(塊根部)もいつも通りの硬さがあり、傷んでいる様子もありませんでした。

この時は「この陽気ならまだ大丈夫!」と思い、屋根のある軒下に養生せずそのまま置いていました。
2024年12月24日、葉っぱが全部枯れる

約2週間が経ち、クリスマスイヴの日。
この頃は最低気温が氷点下0℃を下回る日が増えてきました。
アデニウムはというと、葉っぱが茶色く枯れ出してきています。
寒さにより葉を落とす準備が始まったようですね。
この時点では枝の部分はまだ緑色で元気そう。

写真をとった時は、「葉っぱ自体が枯れ落ちてハゲてしまったら室内に取り込もうか」と考えていました。
2024年12月29日、寒さでついに冷害が発生
それから数日が経ち28日の夜。
2024年一番の気温の低下により気温が-3.9℃まで下がった為、アデニウムに変化が起きます。
29日朝、外に出てみると庭は霜が降りて車のガラスも凍り、庭が一面白くなっています。
屋外にいた養生していない植物達を観察してみると、アデニウムやアガベに冷害が発生していました!
アデニウムは枯れた葉が垂れ下がり、枝も元気がない状態。
この時点ではまだ枝にダメージが見られなかったため、急いで室内に取り込んで様子を見ることにします。

冷害の症状に慌てていたため、写真を撮るのを忘れてしまいました…
2025年1月12日、傷んでいるのを発見
アデニウムを室内に入れた後、特に変化が感じられないまま年が明けます。
毎日の植物観察の際、アデニウムの様子も見ていましたが特に異変には気づきませんでした。
そして異変に気づいたのが1月12日。
いつも通りアデニウムを確認してみると枝の部分がふにゃふにゃになり、枝先が黒くなっていて「これは冷害で枝が駄目になっている!」と気づきました。

これは緊急事態!処置をしないと手遅れになってしまいます・・・!
アデニウムの冷害症状

アデニウムが冷害にあうとどういった症状が起きるのでしょうか。
アデニウムに冷害が出ると、まず枝に影響が出ます。
これは憶測ですが塊根部よりも枝のほうが細いため、細胞の凍結によるダメージがすぐに出やすいのかもしれません。
実際に冷害にあったアデニウムは枝が凍結により傷み、ついている枯れ葉がダランと垂れ下がりました。
枝が傷んでブヨブヨになり黒くなっていて、そのままにしておくとアデニウムの塊根部まで傷みが徐々に進み、株自体が枯れてしまう原因にも!

アデニウムが枯れないように早く処置する必要が出てきました。
アデニウムが冷害にあった時の対処法⇛傷んでいる所を切りとる

アデニウムに冷害が出てしまった場合、なるべく早急に傷んでいるところを切りとるしかありません。
対処が遅くなると傷みによる腐りが株全体に広がり、アデニウム自体を枯らしてしまう原因になります。
傷んだ部分は黒くなったり柔らかくなったりしているので、よく観察が必要になります。
この時、胴の部分(塊根部)まで柔らかくなっていると、すでに傷みが奥深くまで進行してしまっているので助からない可能性が高くなります。

なので冷害などで傷みが出た場合はなるべく早く処置をする必要があるんです。
傷んだ部分はどのように切れば良いのか

アデニウムに傷みが出ている場合はどこをどのように切ればいいか悩みますよね。
安心してください、これから解説します!
解説はこの順番に進めていきます。
- アデニウムを切る前に準備するもの
- 傷んだアデニウムの切り方
- アデニウムを切った後は室内で様子をみる
アデニウムを切る前に準備するもの
アデニウムを切る前には以下のものを準備しましょう。
- カッターなどの刃物
- ライター
- ゴム手袋(軍手はオススメしません)
- タオルなど(清潔なものを使用)
- 殺菌剤(ダコニール粉剤)
- 筆(100均のもので構いません)
アデニウムは切断すると白い樹液を出します。
この樹液は強い毒性があるオレアンドリンを含んでいて、直接触ると肌がかぶれる可能性があります。
大量に接種してしまうと吐気、下痢、めまい、視覚異常、不整脈などの症状を引き起こします。
作業をする時は必ずゴム手袋を使い、樹液を触った手で口を触らないようにしてください。

作業が終わったら必ず手をよく洗ってくださいね。
傷んだアデニウムの切り方

それでは傷んだアデニウムの切り方を解説していきますね。
切り方はこの手順で進めていきます。
- カッターなどの刃物を消毒する
- 柔らかくなっているところとまだ固いところの境目を探す
- 境目の硬い部分を切ってみる
- 断面が黒いなら胴の部分に向かって少しずつ切り進める
- 黒い傷みがなくなったら出てくる樹液を布で拭き取る
- 樹液が出なくなったら殺菌剤を軽く塗る

まずはじめに、切る前にカッターなどの刃物を消毒します。
刃物を消毒しないと切り口から雑菌が入り、植物がさらに傷んで枯れる原因になります。
刃物はライターなどを使って火で炙り、消毒してください。

アルコールなどで拭いても構いません。

それではアデニウムを切っていきます。
アデニウムを切る時は、すでに柔らかくなっているところとまだ固いところの境目を触って確かめましょう。
軽く指で押してみて柔らかい部分は傷みが進行しています。
柔らかいところから胴に向って探っていき、まだ組織が生きている固い部分を探しましょう。

確認していって境目が分かったらまずその場所で切ってみます。
切ってみて断面に黒い部分があると、傷みが進行しています。

アデニウムを切る際は刃物で手を切らないように注意してください。

切断した断面に黒い傷みがある場合は、さらに胴に向って切り進めていきます。
なるべく無事なところは残しておきたいので少しずつ切っていきましょう。
黒い傷みは放置すると切った後も進行していくので、なくなるまで細かく切っていきます。

胴の部分は結構固いので、切った勢いで手を切らないように気をつけて作業してくださいね。

断面に黒い傷みがなくなるところまで切ったら、清潔なタオルなどで出てくる樹液を拭き取ります。
樹液が出ていると殺菌剤を切り口にうまく塗れません。
樹液が出なくなるまで拭き取ってください。

切った断面から樹液が出なくなったら、殺菌剤を切り口の断面に塗布して乾かします。
殺菌剤はダコニール粉剤がおすすめです。
筆を使ってダコニール粉剤を切断面に薄く塗っていきます。
殺菌剤を薄く塗れたら処置は終了です!
ダコニール粉剤を使用する際の注意点
マスク、手袋、長ズボン・長袖の防除衣などを着用するとともに保護クリームを使用してください。
また粉末を吸い込んだり、浴びたりしないよう注意し、作業後は直ちに身体を洗い流し、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換してください。
アデニウムを切った後は室内で様子を見よう

切ったアデニウムは室内に取り込み、傷口を乾燥させて傷みが進行しないか様子をみます。
処置が成功したら傷みの進行が止まって残った部分を育てることができますよ。
もしさらに傷みが進む場合は、再度同じように切ってみてまた様子を見てみましょう。

あまり胴の深いところまで切ってしまうと、復活するのも難しくなってしまうので注意しましょう。
まとめ|アデニウムは本当に寒さに弱いので寒くなったら室内へ

- 大前提「アデニウムは寒さに弱い」ので5℃を下回るなら室内に取り込もう
- 冷害にあってしまったら傷んでいる部分を切って取り除こう
- 切った後は傷みが進行しないか室内で様子を見よう
アデニウムが冷害にあった時の対処法を解説しました。
一番は冷害が起きないように早めに室内に取り込むのがベストです!
冷害にあったらなるべく早く対処してあげるとアデニウムの生存率を上げます。
処置が成功すると春には枝が芽吹いてきてくれるでしょう。
アデニウム以外にも強剪定ができる、「アデニアグラウカ」も同じような切り戻しによる冷害処置は可能ではないかなと思います。
アデニアグラウカはアデニウムに比べて寒さには強いですが、こちらも気になるところです。
少しでも参考になってくれたら嬉しいです!
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