アガベ趣味家として3年以上育ててきた経験から、よく混同される「吉祥天(きっしょうてん」と「吉祥冠(きっしょうかん)」の違いをわかりやすく解説します。
名前が似ていて間違いやすいこの2品種、実は見分けるポイントがあるんです!
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特徴 | 吉祥天 | 吉祥冠 |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
系統 | パリー系 | ポタトラム系 |
耐寒性 | (氷点下でも耐える) | 強い(冬は養生が必要) | 弱い
トゲの色 | 成長すると赤黒くなる | 成長すると赤くなる |
鋸歯(葉の縁のトゲ) | 間隔が広い、太い | 間隔が狭い、均等に並ぶ |
葉の色 | 青白い (ブルームがついている) | 緑色が維持される |
葉の硬さ | 大きくなると厚く硬くなる | 大きくなっても柔らかい |
成長速度 | 遅い (特に子株期) | 早い (1年でも変化を感じる) |
成長サイズ | (地植えで60~120cm幅) | 大きい(直径60~80cm程度) | コンパクト
子株の葉 | 外側にカール | 内側にカール |
- 「吉祥天」と「吉祥冠」を見分ける方法
- 「吉祥天」と「吉祥冠」それぞれの特徴
- 「吉祥天」と「吉祥冠」なぜ間違いやすいのか
- 「ことぶろぐ」で植物について発信
- アガベ・パキポディウムの育成歴3年目
- 自宅で321株以上の植物を育成中
- 一番好きなアガベは「吉祥冠錦」
- アニメ・読書・筋トレ好き
アガベ吉祥天と吉祥冠を見分ける方法

吉祥天と吉祥冠を見分ける方法は2つあります。
- 特徴で見分ける
- 価格を参考にする
1.特徴で見分ける
成長した株であれば、以下のポイントで見分けることができます。
- 葉の色と質感:吉祥天は青白く、吉祥冠は緑色
- トゲの色と配置:吉祥天は赤黒いトゲが広い間隔で、吉祥冠は赤いトゲが狭い間隔で並ぶ
- 葉の形状:吉祥天は厚みのある幅広い葉、吉祥冠は細めの葉
2.価格を参考にする
同じサイズなら吉祥天の方が高価な傾向があります。これは成長速度の違いによるもの。

自分が色々見てきた肌感覚で言うと、直径20cmサイズで吉祥天は1万円以上、吉祥冠は3,000円位と約3倍くらいの価格差はあります。
ただし、販売店によって価格設定は異なるので、あくまで参考程度にしてください。
アガベ「吉祥天」の特徴

吉祥天は以下のような特徴があります。
- パリー系
- 寒さに強い
- 成長するとトゲが赤黒くなる
- 鋸歯の感覚が広い
- 葉の色が青白い
- 大きくなると葉に厚みが出て硬い
- 成長が遅い
- 地植えだとそれなりに大きくなる
- 子株の頃は葉が外側にカールしている
吉祥天はパリー系の品種

吉祥天は正式にはアガベ パリー ホーチエンシス(Agave parryi var. huachucensis)といい、パリー系に属します。
同系統には「パリー トランカータ」「パリー コウエシー」「ネオメキシカーナ」、吉祥天の斑入り品種「吉祥天錦」などがあります。
吉祥天は耐寒性がある
吉祥天は中株以上になると耐寒性があります。氷点下の気温でも耐え、雪を被っても傷まないほど丈夫です。

この特性から、ドライガーデンの植栽によく使われています。
吉祥天の特徴的な見た目

- トゲの色:成長すると赤黒く変化し、青白い葉との対比が美しい
- 鋸歯:間隔が広く、一つ一つが太くしっかりしている
- 葉の色:成長するとブルーム(白い粉)が発達し、青白く見える
葉に作られるブルーム(白い粉)は水分蒸発を防ぎ、乾燥や強い日差し、微生物の侵入を防ぐなどの役割があります。
吉祥天の成長特性
吉祥天の魅力は年月とともに変化していく姿にもあります。長い目で育てることで、その真価を発揮する品種です。
- 葉の質感:中株以降は葉に厚みが出て、弾力を感じる硬さになる
- 成長速度:子株から中株になるまで数年かかるが、20cm以上になると成長速度が上がる
- 最終サイズ:地植えでは高さ30〜60cm、幅60〜120cmに達する

筆者の庭には2年前に植えた吉祥天があり、今では直径25cmほどに成長。葉数も増えて見応えのある株になりました。
吉祥天の子株の特徴

吉祥天の子株は葉が外側に反っているのが特徴。
この段階でも葉1枚の存在感があります。
アガベ「吉祥冠」の特徴

吉祥冠は以下の特徴があります。
- ポタトラム系
- 寒さに弱い
- 成長するとトゲが赤くなる
- 鋸歯の感覚が狭い
- 葉の色は成長しても緑
- 大きくなっても葉が柔らかい
- 成長が早い
- 比較的コンパクト
- 子株の頃は葉が内側にカールしている
吉祥冠はポタトラムという品種

吉祥冠は一般的にポタトラム系の一種と考えられています。

この辺は不確定な部分も多く完全にポタトラムとは言い切れないのが現状です。


吉祥冠には「吉祥冠錦」「スーパークラウン」という斑入り品種や、小さく細かい鋸歯が特徴の「ベイビーティース」などがあります。
吉祥冠は寒さに弱い
吉祥冠は寒さに弱く、氷点下の環境では養生が必要です。

一方で真夏の暑さには強く、葉焼けしにくい特性があります。
吉祥冠の特徴的な見た目

- トゲの色:中株以上になるとトップスパインや鋸歯が赤くなる(古くなると茶色化)
- 鋸歯:等間隔で狭く並び、整然とした印象
- 葉の色:成長しても緑色を維持する
吉祥冠は赤くのこぎりのようなギザギザとした鋸歯が特徴。
鋸歯は古くなると茶色になりますが、水やりをすることでトゲが一時的に赤く戻り、綺麗なロゼット状の株を赤いトゲが華やかに彩ります。

調子よく育つと葉にブルーム(白い粉)がのりますが、吉祥天のように青白くはなりません。
吉祥冠の成長特性
吉祥冠は以下のような成長特性を持ちます。
- 葉の質感:葉元に行くほど細くなり、全体的に柔らかい
- 成長速度:非常に早く、1年でも変化を実感できる
- 最終サイズ:直径60〜80cmとコンパクト。横より上に伸びる傾向がある
吉祥天に比べると大きさはコンパクトですが、成長が早いため1年も育てると葉数が増えてかなり見応えがあります。

成長を感じやすいので見ていて面白い品種です。
吉祥冠の子株の特徴

子株の時は細長い葉が内側にカールしているのが特徴。
葉はとても柔らかいです。
アガベ「吉祥天」と「吉祥冠」なぜ間違いやすい?
この2品種が混同されやすい理由は、ずばり名前が似ているから。
そのうえアガベ初心者には見た目の区別がつかないので間違われやすいのです。
また、「販売店でのラベル間違い」や「子株の段階では判断しづらい」という要因もあります。

マイナーな植物なのでホームセンターなどでは間違った名前がついているのもよく見かけます
まとめ|初心者なら特徴が出てきてからの購入がおすすめ
再度2つの品種の比較表です。
特徴 | 吉祥天 | 吉祥冠 |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
系統 | パリー系 | ポタトラム系 |
耐寒性 | (氷点下でも耐える) | 強い(冬は養生が必要) | 弱い
トゲの色 | 成長すると赤黒くなる | 成長すると赤くなる |
鋸歯(葉の縁のトゲ) | 間隔が広い、太い | 間隔が狭い、均等に並ぶ |
葉の色 | 青白い (ブルームがついている) | 緑色が維持される |
葉の硬さ | 大きくなると厚く硬くなる | 大きくなっても柔らかい |
成長速度 | 遅い (特に子株期) | 早い (1年でも変化を感じる) |
成長サイズ | (地植えで60~120cm幅) | 大きい(直径60~80cm程度) | コンパクト
子株の葉 | 外側にカール | 内側にカール |
本当に小さい子株の場合は、見慣れている人でも間違うことがあります。
そのため、アガベ初心者の方は少し大きくなって特徴が出てきた株を購入するのがおすすめです。
どちらも美しく育てやすい品種なので、ぜひ手にとって育てて見てくださいね!
コメントがあればどうぞ