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アガベの胴切りのやり方を知りたい!
切った後どうするかも教えて欲しい
今回はこのようなお悩みに答えていきます。
こんな疑問を解決
- アガベの胴切りのやり方
- 胴切り後の処理の仕方
- 切った後の置き場・管理方法
- アガベ・パキポディウムの育成歴2年以上
- 100株以上の植物を育成
- 胴切りは失敗も成功も経験
本記事では、アガベの胴切りに関して解説していきます。
いい個体やレアな品種など、アガベを胴切りして増やしたいですよね。
でも、経験がないとどこを切ったらいいのか、切った後はどうしたらいいのかがわからないもの。
自分も試しにやって失敗した経験があります。
この記事をみてくれた方には失敗してほしくない!
ということで、ここからは写真も交えて胴切りをやってみたい方になるべくわかりやすく解説していきます。
アガベの胴切りをする目的
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胴切りとはアガベを成長点の下で真横に切断することで、上の部分(=天)と下の部分(=胴)に切り分けることです。
では、どのような目的からアガベを胴切りするのでしょうか。
アガベの胴切りの目的
- 個体を増やす
- 株を仕立て直す
株を増やす
胴切りがよく行われるのは株を増やすためです。
胴切りにより強制的に成長点を取り除くことで切った胴から子株を出させます。
アガベは成長点を失うとなくなった部分から多数の子株を出すという性質を利用しています。
種子がなかなかできないアガベの増やし方の1つです。
株を仕立て直す
葉焼けや虫にやられてしまい、見た目が悪くなった株を仕立て直す場合にも胴切りをします。
見た目が悪くなった葉は時間が経つにつれて下葉に移っていきますが代謝によって枯れるまでは長い時間がかかります。
きれいな葉が揃ってきたところで胴切りを行うことで、胴切りの上の部分(天と呼ばれています)をきれいな状態で育てることができます。
胴切りは春または秋の成長期に行う
アガベの胴切りは春か秋に行うのがおすすめです。
理由としては、胴切り後の発根管理や子株の芽吹きがしやすいから。
夏は気温が30℃以上にもなり、アガベの動きは鈍くなりがち。
また、冬は気温が低いためアガベが根をだしづらい時期です。
冬に長いこと頑張ってみても春になったらすんなり発根したということも多々あります。
なので、発根管理のしやすさ子吹きのしやすさからも、胴切りは春か秋がおすすめです。
アガベの胴切りに必要なもの
アガベを胴切りするためにはこちらを用意して下さい。
アガベを切るもの(ナイフ・カッター・ワイヤーロープなど)
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アガベを切るために必要です。
胴切りによく使われるもの
- ナイフ
- カッター
- ワイヤーロープ
- 先端を研いだシャベル
胴切りはナイフなどの刃物で切るのが一般的。
アガベの茎は大きくなると結構固いためなるべく切れ味の良いものを使うのがおすすめです。
カッターでも切れますが、切っている最中に折れることもあるので注意が必要です。
最近ではワイヤーロープで切っている方も増えています。
ワイヤーロープは切断面も綺麗で、葉っぱも傷つけにくく、切っているうちに切断部がわからなくならないため初心者の方におすすめです。
ワイヤーは太いと胴切りしずらく、細いとワイヤーが切れてしまいます。
なのでワイヤーの太さは0.45mmのものが胴切りに適しています。
一部の趣味家さんは先端を刃物のように研いだシャベルを胴切りに使ったりもします。
幹に向かって数か所差し込んでいくだけなのでこちらもナイフより切りやすいと思います。
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今回の胴切りはシャベルを使用した胴切りを行います
ハサミ
胴切り後に下葉を取り除くために使用します。
ナイフやカッターがある場合はなくても大丈夫です。
消毒用アルコールまたはライター
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胴切りする刃物などを殺菌するために使用。
ライターは刃の部分を火で炙ることで殺菌します。
火で炙った場合は冷めてから使用してください。
手袋
手を怪我しないために着用します。
株を固定するために手で抑えたりするのでトゲが刺さってとても危険です。
刃物を使用する時も、ワイヤーを引っ張るときも手を怪我しやすい作業なため手袋は着用したほういいです。
殺菌剤
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胴切りで切断した部分に塗布します。
切断面から菌が繁殖して株が傷んでしまうのを予防する目的があります。
胴切りの殺菌には粉末状のダコニール粉剤がよく使用されます。
殺菌剤は薬剤なので塗布する際は吸い込まないようにマスクの着用をしてください。
目や皮膚にも刺激性があるためゴーグルの着用、長袖・長ズボン・手袋を着用。
塗布後は手洗い・うがい・洗眼をしたうえで、衣服を交換することをおすすめします。
筆またはハケ
殺菌剤を塗布するために使用します。
塗布するだけですので100円均一で売っているものでかまいません。
アガベの胴切りを実際にやってみた
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それでは胴切りを実際にやっていきます。
今回はこちらのホリダを胴切りしたいと思います。
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切るための道具はシャベルの先を刃のように改造したものを使用します。
シャベルはサンドペーパーで研磨して刃のようにしました。
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切る道具は特殊ですが
切れればなにを使用してもいいと思います
胴切りの手順
1. 刃物・ワイヤーを殺菌する
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胴切りの前に刃物やワイヤーは消毒用アルコール、またはライターの火で炙るなどをして殺菌してください。
ライターで炙った場合は冷めてから使用してくださいね。
2.胴切りの位置を確認する
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胴切りをする場合、切るのは展開している葉の下側を切っていきます。
青線の部分がアガベの成長点がある芯の部分になります。
画像の①の部分で切ってしまうと浅すぎて天の部分に成長点が残りません。
葉の付け根あたりにもなるので、すべてはずれて分解してしまう恐れがあります。
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失敗するとこのように天部分をうまく残すことができません。
成長点もここまで残った葉が少なくなってしまうと天を残すのも難しくなります。
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この吉祥冠錦は発根させられず腐ってしまいました
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なので失敗の確率を少しでも減らすために、②の位置で切っていきます。
鉢に下葉1周分を残すイメージで思っているよりも下の位置で切ったほうが成功しやすいです。
胴切りした後の天も、発根して根を増やすために下葉1周分はなくなりますので、なるべく天のほうに葉を残したほうがうまく残すことができます。
3.茎に刃をいれていく
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位置が決まったら株を切っていきます。
切るのは株の中心にある茎の部分。
葉の下に刃先を入れて茎を切っていきましょう。
太くて1度で切れない場合は、切る場所を変えて切っていきます。
このシャベルの場合は一気には切れないため、数カ所から茎になるべく深くまで刃を差し込み切り取りました。
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天の下葉がだいぶ傷だらけですが、無事に胴切りできました!
4.天の下葉を取り除く
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切った天の下葉を取り除いていきます。
これは茎を出して発根させやすくするのと傷んだ下葉を取り除く意味があります。
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下葉は水分がありそのままむしってもうまく取り除けません。
なので取り除きやすくするのに、カッターやハサミで葉の真ん中に切れ目を入れます。
切れ目をいれたら左右に割くときれいに下葉がとれます。
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傷が入った下葉を4・5枚取り除くと茎の部分が出てきました。
葉を取り除くことで赤丸のような白いぽつっとした部分が出てきます。
この根っこや子株になる部分をちゃんと出すことでアガベが根っこを伸ばしやすくなります。
胴の部分は切った際に取れかかっている葉があれば取り除くだけで大丈夫です。
これで胴切りは完了です。
アガベの胴切り後の処置と置き場所
アガベを胴切りした後はこういった流れで進めていきます。
切断面に殺菌剤を塗る
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アガベを胴切りした後は切断面を殺菌しましょう。
理由としては、切断面から菌が繁殖すると傷んでしまう原因になるからです。
人間の手術と同じように、切った部分はよく消毒をして傷口から菌の侵入を塞ぐ必要があります。
切断面に塗る殺菌剤はダコニール粉剤ががよく使われます。
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自分はダコニール粉剤を使用しています
粉末なので塗布しやすい!
殺菌剤を塗る時は筆やハケなどを使って切断面にまんべんなく塗布しましょう。
胴切り天は1-2週間、雨や日の当たらない場所で乾かす
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胴切り天は殺菌剤を塗布したら1-2週間ほど切断面をよく乾かします。
置き場所は雨や日の当たらない日陰で管理し、
- 容器の上に置く
- 逆さにして転がしておく
- 網棚に置く
など切断面をなるべく汚さないように置いて乾燥させて下さい。
胴切り胴は1週間、雨や日の当たらない場所で乾かす
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胴切り胴は殺菌剤を塗布したら1週間ほど切断面を乾かします。
置き場所は天と同じく雨や日の当たらない風通しのよい日陰で管理して下さい。
アガベの胴切り後の管理方法
一定の期間、切断面をよく乾かしたら天と胴それぞれの管理をしていきます。
胴切りの天(上部分)は発根管理をする
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胴切りの天は根っこがない状態です。
なので、根っこを出すための発根管理が必要になります。
一般的な発根管理のやり方
切断面に発根促進剤をつける
発根促進剤はメネデール・オキシベロン・ルートンがよく使用されます。
メネデールとオキシベロンは液体なのでそれぞれに適した濃度に水で希釈し、切断面に数時間漬け込みます。
ルートンは粉剤なので、少量の水で練って筆などで切断面に塗布します。
それぞれ好きな発根管理方法で発根させる
発根促進剤をつけたら発根管理をしていきます。
発根管理は
- 土の上にのせる
- 水につける
- 水苔にさす
などがあります。
それぞれメリット・デメリットがありますが最終的にアガベは時間がたてばいつかは発根します。
個人的には、土にのせる方法がおすすめ。
理由としては、発根後に植え込む手間が減るのと出てきた根を傷つける心配がないため。
発根管理で出した根っこを植え込む際に折ったり傷つけたりすることがあるんです。
折れてしまったらまた発根管理のやり直しになってしまいます。
どうしても根っこ出てないか気になるようでしたら別の方法がいいと思います。
発根したら土に植える
発根管理をして根が出てきたら土に植え付けましょう。
この時出てきた根っこを折らないように慎重に作業してください。
根が土に十分に張るまでは直射日光を避けて、風通しのよい場所で多めに水やりをして根張りを促してあげましょう。
この時、メネデールを希釈して水やりすることで根張りを促進してくれます。
胴切りの銅(下部分)は水やりを再開
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胴切りの胴は切断面が乾いたら普通のアガベと同じように用土が乾いたら水やりを再開します。
これは子株を出させるために根っこを動かす必要があるから。
根っこを成長させることで切断面から子株を出しやすくなります。
乾かした直後はなるべく切断面に水をかけないように注意して下さい。
子株が吹いて成長してきたら切断面に水がかかっても大丈夫です。
胴切りができない株
子株を増やせる胴切りですが、こういった株は胴切りをおすすめできません。
子株
子株は株自体が小さいため胴切りには向いていません。
成長点も上がってきていないため、失敗する可能性がとても高いです。
また、根っこも充実していないため、子株をたくさん吹きづらく最悪の場合出ない可能性もあります。
中株まで育ててから胴切りをしたほうがいいでしょう。
成長点が上がってこない株
アメリカーナや吹上など成長点があまり上がってこない品種は胴切りが難しいです。
切れないことはないかもしれませんが成長点がかなり低いため失敗する確率もあがります。
どうしても子株を吹かせたい場合は、胴切りではなく縦割りなど別の方法にしたほうがいいと思います。
まとめ|アガベの胴切りをしてお気に入りの株を増やしてみよう!
本記事は胴切りの解説でした。
- 株を増やす
- 株を仕立て直す
- 切る道具
(ナイフ・カッター・ワイヤーロープなど) - ハサミ
- 消毒用アルコールまたはライター
- 手袋
- 殺菌剤
- 筆またはハケ
胴切りは以下の手順で進めていきましょう。
胴切りをした後はこういった処理と管理をして下さい。
切断面が乾いたら次の管理をします。
次の株は胴切りをおすすめしません。
胴切りも最初は感覚がわからなくて難しいと感じますが、慣れてしまえば簡単に出来るようになります。
失敗してしまうと悲しいですが、成功すればお気に入りの株が増やせてとても嬉しいです。
アガベを育成する幅も増えますので怖がらずに胴切りをしてみて下さい。
成功するコツは葉が充実してる株を使い、なるべく下を切ることです。
ぜひ、実際に胴切りをしてアガベを増やしてみて下さいね!
この記事が参考になったら嬉しいです。