夏も近づいてきて日差しが強くなってきたね。
強い直射日光が当たるとアガベにどんな影響が起きるのかを詳しく教えて欲しいな。
できれば対処法も知りたい!
このような悩みにお答えしていきます。
こんな疑問を解決
- アガベが強い直射日光によって起きること
- 直射日光での影響を受けないようにする対処法
本記事は、夏の直射日光によって起きるアガベの影響と対処法を解説します。
アガベはなるべく長く日に当てて育ててあげるのが良いとされていますが、夏の太陽光に関しては注意しなければいけない点が4つあります。
注意点を知らずに夏の直射日光を当ててしまうことでアガベに悪い影響が出てしまう恐れも。
この記事ではそのことを詳しく解決していきます。
鉢底ネットはちょっとした遮光にも使えておすすめです
【結論】夏の直射日光はとても強いので4つの影響が出る
アガベは太陽の光が大好きな植物。
そんなアガベですが、日本の夏の直射日光はとても強いためさまざまな影響が出てしまいます。
どのような影響が出る方というと、
直射日光が強いことで起きる4つのこと
このようなことが起きます。
ここからはなぜ起きるのかと対処法を解説していきたいと思います。
1.葉焼け
葉焼けは葉っぱが強い光に当たりすぎることで起きます。
これはアガベの葉にある葉緑素が強い光によって破壊されてしまった状態。
葉の水分が抜けて白っぽくなっているのが特徴です。
人間で例えると日焼けした状態と似ています。
ちなみにこの画像のように葉っぱにシワが寄っている状態が葉焼け一歩手前。
この状態で気づくことができれば、株を日陰に移したうえで風を当てて冷ましてあげることで回復することもあります。
葉焼けが起こりやすいアガベの状態
アガベは健康的な株であれば相当過酷な状態でない限り、葉焼けはしづらいです。
ではどのような状態だと直射日光によって葉焼けを起こしやすいのでしょうか。
葉焼けをしやすいのはこちらの6点です。
気温が高い状態で長い時間日に当たっている
高い気温+長い時間強い光に当たることで葉焼けのリスクがとてもあがります。
気温が高すぎると葉の細胞も弱くなりがち。
そこへ長時間、強い光が当たると細胞が壊れて葉焼けをしやすくなります。
弱い光で育っていた
室内でのLED管理や日陰においてあった株は葉焼けをしやすいです。
これは弱い光に慣れてしまっているので急な環境の変化に慣れないため。
急に強い光が当たると、光合成効率が追いつかず葉緑素の細胞が壊れ、葉焼けをしてしまいます。
水切れ気味で葉の水分量が少ない
アガベに限らず、植物は水切れ気味だと葉焼けを起こしやすいです。
夏は使用している土にもよりますが用土が乾きやすくなります。
そのため、水やり頻度が少ないとアガベも水切れ状態になります。
葉の水分量が少ない状態で強い光があたり続けると葉の細胞が壊れて葉焼けになってしまいます。
葉の厚みが薄い
アガベも品種によって葉の厚みが薄い品種があります。
一概に全部が葉焼けしやすいとは言いきれないですが、薄葉の品種は葉焼けしやすい傾向があります。
斑入り品種
斑入り品種は普通のものより葉緑素部分が少ない品種です。
この斑の部分は葉緑素がないため、強い光に当たると焼けて色が変わりやすいです。
根っこがないor少ない
根っこがない、もしくは発根したてで少ない場合は葉焼けしやすいです。
なぜかというと根から水分を取り込む量が少ないため。
そのため葉に蓄えている水分を成長に使用していくので、細胞の水分量が減りやすくなります。
なので細胞が弱くなり葉焼けを起こしやすくなります。
根っこが少ない場合は直射日光に当たらない日陰で風通しのいい場所へ置きましょう。
ちゃんと根が張ってから少しづつ日の光に慣らしてあげてさせてくださいね。
アガベを葉焼けさせづらくする対処法
アガベの葉焼けを予防するにはこういった対処法があります。
アガベを光に順応させる
アガベを室内で育成していたり、日陰で育てていた株は少しづつ強い光に慣らしていきましょう。
日陰での管理からはじめて、半日陰⇛遮光という順番で少しずつ外の環境に慣らしていくことで細胞壁が強くなり、葉焼けをしにくくなります。
遮光をする
直射日光による株への影響を一番軽減してくれるのが遮光になります。
35℃を超えるような高温と強い直射日光。
この2つが重なってくると光に順応していても、アガベは耐えられず葉焼けをします。
この場合は遮光が必要となってきます。
遮光をすることで株に当たる日差しの量を少なくできます。
効果としては、
- 光による熱を和らげる
- 強い光エネルギーを少なくして葉緑素の破壊を軽減する
があげられます。
遮光に使われるもの
アガベの遮光にはこういったものがよく使われます。
- 遮光ネット
- 寒冷紗(かんれいしゃ)
- 鉢底ネット
どちらも株のうえにかけたり、株のうえに紐などで固定して使用します。
色は黒や白が定番で、黒は光を吸収するため遮光率が高く、白は低めなものが多いです。
遮光ネット
寒冷紗
ネット貼り専用クリップ
遮光ネットや寒冷紗には穴がないため使用します。
挟んで止めることで紐を通す部分ができ、ロープで張ることができます。
何度でもつけ外しができるので経済的!
鉢底ネット
遮光する際は遮光率に注意
遮光したほうがいいといっても遮光率が高すぎてもよくありません。
遮光率は高いと光を通しづらく、低いと光の量が多くなります。
植物が成長するためにはある程度の光は必要です。
遮光率が高すぎると、成長するための光の量が足りず徒長してしまう原因となります。
遮光率は光の当たる環境によって変わりますが、低くて20%、高くても50%程度が良いと思います。
自分は初夏の暑くなりはじめは20%、
真夏は50%遮光の黒い寒冷紗を使用しています
2.株の蒸れ
直射日光が当たることで鉢や用土が高温に温められてしまいます。
この状態で用土が濡れていると植物が蒸れる原因となります。
例えると蒸し器に入れた野菜のような状態ですね。
主に一番中心のこれから出てくる葉の部分が黒くなるような症状があげられます。
株の蒸れは被害が大きいと最悪の場合は枯れる原因となってしまいます。
アガベを蒸れづらくする対処法
アガベを直射日光によって蒸れづらくするには、
などの対処法が考えられます。
用土を排水性の良い用土にする
排水性の良い用土にするというのは水はけの良い用土に変えるということです。
水はけの良い土にすることで水やりをしても大部分がそのまま抜けていくため、用土がすぐに乾きやすく株を蒸れづらくします。
アガベの一部の品種は蒸れに弱いものもあるため、あえてこのような用土にすることもあります。
遮光をする
遮光はアガベを蒸れづらくするのにも効果があります。
株への直射日光を軽減してくれるため、光の強さが抑えられて鉢や株が高温になるのを抑えてくれます。
蒸れへの対処で使用する場合は、株と遮光の間に空間を作ってあげることで、風通しを良くして熱がこもらないようにしてあげてください。
水やりは夕方に行う
アガベを蒸れさせないために水やりは夕方にしましょう。
一番直射日光が強い時間帯は10時から13時とされています。
朝や昼に水やりをしてしまうと、鉢の中に水分がたくさん含まれている状態で直射日光を浴びてしまいます。
アガベもすぐには水を吸収できないですし、用土の水も抜けきりません。
そのため水分が温められてお湯になり、アガベが蒸れてしまいます。
なので、水やり後の余計な水分を減らせる時間があるという点で夕方に行うのがベストなんです。
その他に、昼に温まったアガベと鉢の熱を下げるという効果もあります。
3.水切れ
強い直射日光が当たる時期はアガベも水切れをしやすくなります。
気温も高く直射日光により鉢の温度も上がるため、水分が蒸発しやすくなるためですね。
そのため水切れをしやすくなるんです。
アガベの水切れへの対処
水切れをしないようにするには水やりの頻度を上げるのがいいでしょう。
環境や天気、用土にもよりますが夏場は2・3日で土が乾いてしまいます。
まめにアガベを観察して用土が乾いていたら水やりをしてあげましょう。
用土の水持ちを良くするという対処方法もありますが、蒸れの原因にもなりますのでおすすめはできません。
こちらの記事では水やり方法を詳しく解説しています
4.ハダニの発生
強い直射日光が当たる時期はハダニが発生しやすいです。
ハダニは高温(といっても20~30℃くらい)で乾燥している場所を好みます。
繁殖時期は3月から10月で、梅雨明けから秋にかけて繁殖が盛んになります。
ハダニはイエダニと違い乾燥に強いため、直射日光が強い時期に活発に動きます。
アガベにつくハダニへの対処
アガベをハダニから守るためにはこういった対処法があります。
葉を水で濡らす
ハダニは乾燥した場所を好みます。
なので葉水や水やりをすることで物理的にハダニの繁殖を抑えることができます。
水で濡らす場合は、葉水でも水やりでも葉の表面だけではなく葉裏にも滴るくらいにたっぷりとかけてあげましょう。
また強めのシャワーでジャバジャバ水をかけてあげることで卵やダニ本体も洗い流すことができます。
木酢液を散布する
希釈した木酢液を散布することでハダニの増殖を抑制できます。
これは木酢液に殺菌成分が含まれていることと水に濡れることで効果があると考えられています。
また、木酢液は植物に良い働きをしてくれる有用微生物を活性化させる働きもあります。
良い微生物が増えることで植物も元気になり、ハダニが付きにくい強い身体を作るという効果もあります。
Q.木酢液って何?
A. 木酢液は、木を熱して作る天然の液体です。
植物に優しく、虫よけ効果があります。
木酢液を葉面散布する場合は、500~1000倍に薄めるのが一般的。
濃いほうが効果があるのでは?と思うかもしれないですが、濃すぎることで植物を弱らせたり枯らしてしまいます。
なので希釈倍率は守りましょう。
殺ダニ剤を散布する
ダニを発生させないために、定期的に薬剤を散布するという方法もあります。
薬剤はダニを死滅させる目的で使用するため、効果は高いです。
使用する際は各農薬の使用方法をよく理解したうえで使用しましょう。
また、農薬を使用する際は同じ薬品を何度も使用せず、別の農薬とローテーションで散布することが推奨されています。
ダニは成長のサイクルがとても早く、何度も同じ農薬を使用すると耐性を持ったダニが繁殖してしまうため。
耐性を持ったダニがだらけになると、その農薬ではダニが死滅しなくなってしまうんです。
そのためローテーション散布が基本となっています。
農薬はいろいろありますが、なるべく違う成分をローテーションすることで効果的に薬剤を効かせることができます。
アガベに効果のある農薬に関しては植物の趣味家さんであるROUKAさんのこちらの動画がとても参考になります。
まとめ|直射日光対策をして暑い夏を乗り切ろう
本記事は、夏の直射日光でアガベに起きる影響と対策を解説してきました。
再度、結論をいうと
夏の直射日光はとても強いため、
など4つの影響が起きやすくなります。
年々最高気温が体温を超える日が増えてきています。
人間も植物も暑さで調子を崩さないためにも、直射日光を防ぐ対策をして辛い夏を乗り切っていきましょう!
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