アガベを育て初めるといろいろとわからないと思うことがありますよね
その中で大切なのはわかるけどイマイチ分かりづらいのが光だと思います
- アガベを育てるのに光が必要というけど漠然としていてよくわからない
- 実際どれくらいの時間当てるべきなの?
- 照度とかPPFDという単語をよく聞くけどどれくらい必要なの?
- なんで遮光する必要があるの?
こういう疑問がよく出てくると思います
この記事では育成に大切な5つの要素のうちの1つである「光」を詳しく解説しています
こんな方へ向けた記事
- アガベに光を当てる適切な時間・照度・PPFDを知りたい
- 光を当てる時の注意点を知りたい
- 強すぎる光の対策方法を知りたい
この記事を読むことで光の適切な当て方が分かり、アガベを健康に育てることができます
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参考程度と考えてもらって
自分の理想の育成方法を構築してみてください
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気になる内容はクリックするとその記事まで移動します!
この記事の信用性
- 葉焼けを経験したことで原因を理解できた
- アガベ・パキポディウムの植物育成歴2年以上
- 100以上の植物を育成中
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結論からいいます
- 光の質は太陽光が一番
- 育成ライトを使用するなら照射時間は12時間以内でメリハリをつける
- 必要な照度は30,000~100,000以内
- 必要なPPFDは500~1700
- 光を当てる時の注意点は3つ「気温・太陽の強さ・西日」
- 強すぎる光は対策をしてアガベを守る
それでは解説していきます!
光は植物にとってもっとも重要な要素の1つ
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アガベに限らず植物を成長させるためには光をあてて光合成させる必要があります
光合成とは?
植物は光の中のエネルギーを使って体内で二酸化炭素を有機物に固定させます
光合成によって作り出された有機物は植物の体をつくる元になります
なので植物が成長するためには光は必要不可欠なのです
植物が光を得るためには?
現在ではこの2つしかないと思われます
- 太陽からの日光
- 植物育成ライト
アガベ特有の光合成
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アガベ・サボテン・アロエなど乾燥が厳しい場所に成育する植物は
「CAM植物」
と言われ、通常の植物とは違った光合成の仕方をします
結論を言うと、光を当てない時間も作りメリハリのある光合成をさせる必要があります
なぜなのかを以下で解説します
CAM植物とは?
Crassulacean Acid Metabolism plantの略です
直訳するとベンケイソウ型の有機酸代謝植物という意味です
乾燥地に生え、葉が分厚いサボテン科、パイナップル科、リュウゼツラン科、ベンケイソウ科、トウダイグサ科、熱帯の着生植物であるランなど18科以上にわたっています
どういう光合成をしているの?
夜のうちに二酸化炭素を取り込み、昼に取り込んだ二酸化炭素を使い光合成をします
通常、植物は昼間に気孔を開いて二酸化炭素を取り込もうとします
しかし、乾燥した場所では昼に気孔を開いてしまうと植物内の水分も気孔から出て蒸発してしまいます
それを避けるために、CAM植物は夜に気孔を開きます
夜の涼しい時間に気孔を開き、光合成に使用する二酸化炭素を吸収
吸収された二酸化炭素は一時的にリンゴ酸に物質を変換し、朝まで使わず保管されます
朝になり日に当たると、リンゴ酸を再び二酸化炭素に戻して光合成に使用しています
結論、光を当たらない時間を作る必要がある
アガベはこのCAM植物という性質から夜と認識させて気孔から二酸化炭素を吸収させる時間が必要です
太陽の光で育てている場合はこの点は問題ないと思います
育成ライトを使用している場合は、意識的に光が当たらない時間を作るなどメリハリのある環境を作って上げる必要があります
【時間】どのくらい光に当てるのが適切か
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結論からいうと、
自然の植物と同じように日の出から日の入までの時間当てるほうがよい
どんなものにもサイクルというものがあるので自然と同じ環境にするのが良いと思います
では、1日の太陽が出ている時間はどのくらいなのでしょうか?
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実際に調べてみました
1日の太陽が出ている時間がどのくらい?
1日の日照時間は日によって代わります
これは自転と公転、傾きによって変わるのですが植物に関係ないので説明は省きます
一番長いのが夏至、反対に短いのが冬至になります
そのため、夏至に近いか冬至に近いかで長さも数分から数時間と変わるので一概に何時間とは断言しづらいです
育成ライトの照射時間はその人次第
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太陽の下では勝手に日が当たるので気にしなくて大丈夫ですね
しかし、育成ライトの場合は育成者が照射時間を決めることになります
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そういっても何時間当てればいいのかわからなくて困っているんだけど・・・
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正解がないから難しいところだよね
自分もそう思ったので調べた上でこの結論になったよ
1日の育成ライト照射時間は長くても12時間がベスト!
結論からいうと
最大で12時間の照射がベスト
だと考えます
それはなぜかというと、1日の中で太陽が出ている平均的な時間が12時間だったからです
実際の日の長さは時期によって代わりますが、平均時間照射することで大きく調子を崩す確率が少なくなると考えたからです
その時間が12時間でした
ではなぜ12時間だったのかを解説します
日本と海外の1日の日の出・日の入時間を調べてみた
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アガベの主な生息地であるアメリカとメキシコ、比較のため日本の3つの国の日の出日の入の時間を調べてみました
日照時間でもいいのではと思ったのですが、日照時間だと直射日光が地表を照射した時間となるため、曇りや雨の日はカウントされず時間が少なくなってしまいます
そのため日の出日の入を参考にしています
また、日が一番長い夏至と一番短い日冬至を足して2で割った時間を
1日の日が出ている平均時間として考えます
日本
日の出 | 日の入 | 1日の日が出ている時間 | |
---|---|---|---|
夏至 | 4:24 | 19:00 | 14時間36分 |
冬至 | 6:46 | 16:32 | 9時間46分 |
夏至と冬至を足して2で割ると⇛12時間11分
メキシコ
日の出 | 日の入 | 1日の日が出ている時間 | |
---|---|---|---|
夏至 | 6:01 | 20:14 | 14時間13分 |
冬至 | 6:48 | 17:20 | 10時間32分 |
夏至と冬至を足して2で割ると⇛12時間22分
アメリカ
日の出 | 日の入 | 1日の日が出ている時間 | |
---|---|---|---|
夏至 | 5:40 | 20:09 | 14時間29分 |
冬至 | 6:52 | 16:49 | 9時間57分 |
夏至と冬至を足して2で割ると⇛12時間13分
調べた結果、3つの国の太陽が出ている平均的な時間は約12時間でした
そのため、自分の環境では室内の育成ライトを12時間照射しています
アガベに必要な【光量】
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次に気になるのがどのくらいの光を当てればいいのかです
これも結論からいいます
アガベに必要な光量は30,000~100,000ルクスです
これは日本の太陽光の曇りの日から夏前までの晴れの日の照度です
ちなみに、観葉植物は最低でも1,000~1,500ルクスの照度が必要と言われているため、アガベは強い光が必要ということが分かります
日本の太陽光の照度
- 0-200KLuxの幅広い測定範囲
- 測った数値を固定できるHold機能
- センサーを傷つけないためのセンサーキャップ付き
- 暗いところでも表示が見やすいバックライト機能
日本はどのくらいの照度があるのでしょうか
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調べた結果がこちらです
天気と時間 | 照度(ルクス) |
---|---|
真夏の晴天(昼) | 100,000ルクス以上 |
晴天(昼) | 100,000ルクス |
晴天午前10時 | 65,000 |
晴天午後3時 | 35,000 |
曇りの昼 | 32,000 |
真夏の晴天(昼)は100,000ルクス以上あり、強すぎるため遮光しないとアガベにダメージが出てきます
そのためアガベがよく成長する春・秋の晴天(昼)の100,000ルクスを強さの上限
曇りの昼の30,000ルクスくらいを下限としたほうがいいと思われます
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でも、幅が広すぎてどれがいいのかわからないよ・・・?
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これは株によって必要な強さが変わってくるので
限定的には言えないんだよ
株によって変わるとはどういうことなのでしょうか?
アガベは株によって必要な光の強さが変わる
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アガベはこの4点で、光の強さを気をつけなくてはいけません
1.株の大きさ
大きな株と子株では必要な光の量が違います
子株は葉数が少ないので極端に強い光はまだ必要ありません
2.根の成長具合
根が少ないと光合成に必要な水を吸えません
発根したての株はまだ強い光を必要としません
3.光の順応
日陰や半日陰、室内の窓際や光量の弱い育成ライトなど
光量の少ないところで育てていたアガベを急に強い光にあててはいけません
強い光が好きなアガベですが急に環境を変えてしまうと葉焼けしてしまいます
アガベは順応といって徐々に強い光に慣らしていく必要があります
そのため、置き場所や育成ライトの照射距離を変えて光の強さを調節してあげないといけません
4.斑入り
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斑入りのアガベはあまり強い光を必要としません
これは葉の葉緑素が少なく、光合成できる部分が限られてしまうのためです
強すぎる光により葉が痛んでしまいます
まずは最低ルクスから当ててみる
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そのアガベにとって必要な照度がわからない場合、まずは最低ルクスから当ててみましょう
数日経っても葉焼けしないようなら徐々に照度をあげてみてください
その植物にあった照度を見つけていくのも園芸の楽しみだと思います
照度以外に重要な【PPFD】
PPFDとは
光合成光量子束密度(Photosynthetic Photon Flex Density)の頭文字を取ったもので
単位は「mol/ m2・s」で表されます(記事内では単位を省かせていただきます)
これは、
植物が光合成に利用する波長の光を、一定時間・一定面積内に受ける光の粒の量を表しています
ようは植物が光合成を行うために利用可能な光の量を表す指標です
PPFDの例として、
- 太陽の直射日光
⇛約2,000 - 曇りの日
⇛約50~100
くらいの値になります
アガベに必要なPPFDはどのくらい?
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結論からいうと必要なPPFDは
500~1700くらい
これは照度から換算したPPFDの値です
👇こちらのサイトから算出しました
太陽光を基準として考えた上で、必要な照度3,000~100,000ルクスをPPFDに換算した値になります
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_800,h_467/https://kotobuki-rabbit.com/wp-content/uploads/2024/01/2024-01-18_00h43_39-min-1-800x467.jpg)
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このようにPPFDがわからない場合はルクスを測ることで分かります
ルクスが高くなるとPPFDの値も高くなります
光を当てる時の【注意点】
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光を当てる際には3つのことを注意する必要があります
- 気温
- 太陽光の強さ
- 西日
なぜ注意べきなのかを解説していきます
1.気温
なぜ気温を注意するのか
それは、暑さによって株を枯らしてしまう原因になるからです
アガベには成長に適した温度があります
その温度を超えたり下回ったりすると成長が鈍化します
その温度は15℃~30℃くらいです
日本の真夏日・猛暑日と言われる気温になると人間もですがアガベも暑さでバテてしまい株の体力が落ちてしまいます
そこに太陽の光を長時間当ててしまうことでより高温になり植物も耐えられない・・・
人間で例えると、熱中症になった状態でそこに光でさらに熱を当てていることになります
植物も枯れてしまいますよね
2.太陽の強さ
天候に左右されることですが、雲ひとつないような晴れの日は太陽の光がとても強くなります
必要以上の強い光が当たるとアガベの葉の表面が焼けてシワが寄ってきます
この状態は葉焼けの一歩手前で、それでも日が当たり続けると
緑の葉が白く水分の抜けたような状態に
これが葉焼けと言われる状態で、葉焼けしてしまうとその部分は元に戻りません
3.西日
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アガベを育てるに当たり「西日は強いので当てすぎないように注意」とよく言われます
でも、実際のところ日の強さは一定
むしろ空気が澄んでいるため、朝日のほうが光自体は強いんだとか
ではなぜ、「西日は強い」と言われるのか?
これはどちらかというと気温が関係しています
西日になるまでに地面や空気・建物が温められてすでに気温が高い状態になっている
そのため株の体力が奪われていき、西日の時間に葉焼けや蒸れの症状が出やすくなるのです
光を調節するための対策
太陽の光は人間が調節することはできません
そのためアガベを強い光から守るために対策が必要になります
対策としては2つ
- 半日陰になるところへ移動させる
- 遮光をする
などがあります
半日陰になるところへ移動させる
半日陰(はんひかげ)とは1日のうち3時間程度の直射日光が当たる、または1日中木漏れ日のような弱い光が指す明るさのことをいいます
半日陰に移動することで常に直射日光にさらされているという状態ではなくなり必要以上の光にあたる危険性が減少します
デメリットとしては時期によって太陽の位置が代わり、日の当たる場所も変わるので位置の調節や場所の確保が難しい点もあります
半日陰の確保が難しい場合は、手間ではありますが太陽の強くなる時間に日陰に移動するなど対策したほうがいいでしょう
遮光をする
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遮光ネット・寒冷紗(かんれいしゃ)などを張って日光の強さを和らげます
遮光率はさまざまなものがありますが、アガベに使用されるのは20%~50%くらいのものが使われます
初夏や秋に入るころは20%、真夏は50%にするなど工夫が必要です
また、鉢底ネットを上にかぶせるだけでも充分な遮光になります
遮光ネットや寒冷紗を張れないところでは鉢底ネットをかぶせて遮光してあげましょう
遮光ネット
寒冷紗(かんれいしゃ)
ネット貼り専用クリップ
遮光ネット・寒冷紗に穴がないためこれを使用します
挟んで止めることで紐を通す部分ができ、ロープで張ることができます
まとめ|太陽を基準とした光を当ててあげよう
この記事のまとめです
- 光は植物にとってもっとも重要な要素の1つ
- 植物が光を得るためには、太陽光と植物育成ライト
- アガベはCAM植物なので光を当てる時と当てない時でメリハリをつける
- 日に当てる時間は長くても12時間
- 必要な照度は30,000~100,000ルクス
- PPFDは500~1700くらい必要
- 光を当てる時は「気温・太陽の強さ・西日」の3つに注意
- 光が強い時は遮光ネット・寒冷紗などで対策する
基準となる光の当て方やイメージが分かればそこから自分好みの育成方法を考えることができると思います
- 厳しめに育てるなら基準の上限近くの光で育成してみようか?
- 発根したばかりだから基準の下限寄りの光で充分!
など、それぞれの環境や育成状況などを考えながら光を当ててあげてくださいね!
考えながら試してどうなるのかを観察するのも園芸の楽しさだと思います
失敗して焼けてしまったり、光が足りなくて伸びてしまったとしてもアガベは強い植物なので仕立て直しも可能です
怖がらずに色々試してみてくださいね!
この記事が誰かの参考になれば嬉しいです
アガベの育て方に関する記事はこちら
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_320,h_180/https://kotobuki-rabbit.com/wp-content/uploads/2024/05/76361fa4eb2dadb8d26abaa17006ef02-600x450.jpg)
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