季節も春になって暖かくなってきたのでアガベを外に出したいな~。
でも、どのタイミングで出せばいいのかわからないから教えて欲しい!
本記事では、アガベを屋外に出す際に出てくるお悩みに答えていきます。
こんな疑問を解決
- 冬に屋内に入れたアガベを外に出すタイミングを知りたい
- 外に出す際に注意することって何?
結論から言うと、この3点に気をつけましょう!
結論!
- 屋外に移動するなら最低気温が10度以上になってから
- 急に太陽の光に当てず、少しずつ太陽光に慣らす
- 虫が動きだす春のタイミングで農薬を使用する
本記事では、屋内のアガベを外に出す時の注意点を解説しています。
室内で管理していたアガベを急に外に出すといろいろな問題が発生します。
実は冬から春になるこの時期は、ベテランの方でもちょっとした油断からアガベに傷みを出してしまうくらい難しい時期なんです。
無事に冬を乗り越えたアガベが成長シーズン目前にして傷みが出てしまっては最悪…。
この記事を読んで、そうならないように知識をつけていきましょう!
この記事の信用性
- アガベ・パキポディウムを2年以上育成
- 100株以上の植物を育成中
- 冬は室内、春からは屋外でアガベを育てている
- Instagramにて日々の育成などを投稿している
アガベを外に出すタイミングはいつがいいのか
春が近づいて少しづつ暖かくなってくると屋内に取り込んでいたアガベを外に出したくなりますよね。
ここで疑問に思うのがアガベはいつ外に出せばいいのかということです。
自分の経験からいう結論は、
1週間の最低気温が10℃前後を推移してきたら外に出すタイミング!
こう考えます。
耐寒性の弱いアガベでも問題無くすごせる
アガベの中でも耐寒性の無い品種が耐えられると言われているのは最低気温が3℃まで。
なので基本的には5℃を下回らなければ大丈夫とよく言われます。
それじゃ5℃前後でもいいじゃないと思う方もいるかと思いますが、屋外は気温だけでなく湿度や場所、風などの要因によって植物の体感温度は変わってきます。
四六時中、いろいろな点を考慮しながら管理するというのは実質不可能ですよね。
なので他の要因があっても問題がないと考えられるのが10℃前後くらいなのです。
アガベの成長に適している
アガベは気温が15℃くらいになると動きだします。
アガベが少しずつ気温の上昇を感じて成長のスイッチを入れるためにも、15℃よりやや低い10℃前後から徐々に屋外の環境に慣らしていくほうがよいでしょう。
外に出した際に注意すること
屋内で管理していたアガベをそのまま屋外に出すとどういったことが起きるのでしょうか。
結論からいうとこういったことがおきます。
- 太陽光により葉焼けがおきる
- 寒暖差による低温障害
- 害虫によって葉に被害が出る
光の強さが全然違うため葉焼けする
アガベに限らず植物はもともと強い光によって葉緑素が破壊されないようにする防御機構をもっています。
これは普段から強い光にあたっていることで働く機能です。
しかし、冬になり室内管理へ変更するといくら強い育成ライトを使用していたとしても太陽光よりも弱い光があたることになります。
この時、植物は強い光に当たらなくなるため防御機構が必要なくなり休止状態となります。
そして春になり、気温も上がってきたからといきなり直接太陽光に当ててしまうと防御機構が休止状態となっているため、強い光により葉緑素が耐えられず破壊されて葉焼けの症状が出てしまうんです。
冬から春の変わり目は寒暖差がとても激しい
冬から春に近づいてくると寒い日と暖かい日が交互に続く時期があります。
この時期にアガベを屋外に出してしまうのはとても危険!
三寒四温という季語があるのですが、これは寒い日が3日続くとその後に比較的暖かい日が4日続くという意味。
こういった言葉があるくらい春に向けての季節の代わり目は寒暖差の激しい時期になるんです。
暖かい日に外へ出して春を感じていたアガベがまた寒さにあたってしまうと低温障害や冷害などの痛みがでてしまう原因になります。
虫も活発に動き出す季節
春になると植物も動きだしますが、虫達も動き出す季節。
ということは、アガベにつく害虫達も徐々に活動を始めだします。
アガベが害虫の被害にあうと、わかりやすく葉に影響がではじめます。
葉っぱが鑑賞部分になるので傷みが出ると一気に見た目が悪くなるんですよね・・・。
アガベに影響を与える害虫としてあげられるのが
- アガベマイト
- アザミウマ
- カイガラムシ
- ヨトウムシ
- ネキリムシ
- ナメクジ
- バッタ
- ハチ
代表的なものがこのへんでしょうか。
アガベは残念ながら対策もせずにそのまま育成すると虫被害にあいやすい植物です。
春は虫が動きだす季節というのを理解して対策をすることが必要です。
アガベが傷まないようにするための対策
春になりアガベを外に出すとどういったことが起きるのかがわかりました。
では、そうならないための対策を解説しますね。
アガベを傷まないようにする3つの対策
- 太陽光にいきなり当てっぱなしにしない
- 完全に暖かくなるまで天気予報に注意する
- 活発に虫が動き出す前に殺虫剤を散布する
太陽光にいきなり当てっぱなしにしない
光の強さが急激に変わることで葉焼けしてしまうと解説してきました。
葉焼けしないための対策、それは徐々に屋外の光に慣らしていくことです。
アガベに限らず、植物は順化といって気候や環境の変化に対して順応することができます。
この順化によって、耐寒性が変化したり光の強さに耐えられるようになるんです。
アガベを屋外の光に慣れさせるためには弱い光から当てていってあげましょう。
一例ですが自分の光の慣らし方はこんな感じ
- 午前中だけ陽にあたる場所⇛1週間
- 直接陽に当たるところで遮光⇛1週間
- 遮光をとって直接陽に当てる
このような感じで徐々に光の当たる時間と光の当たる強さを強くしていきます。
もちろんどのタイミングでもアガベに影響が出ていないか観察することは必要。
株の大きさや品種、株の状態なんかによっても葉焼けのしやすさは変わってきます。
影響が出ているなと思った場合は一時的に陽の当たらない場所に移動して状態が戻るかよく見てあげましょう。
画像の場所は1番のような環境。
家の北東にあたるところなので午前から昼前までしか太陽光が当たりません。
このように置き場所などを工夫して光に慣らしてあげて下さいね。
半日陰で慣らした後の2番の環境。
ここは寒冷紗や遮光ネットなどが張れない場所なため、鉢底ネットを上に被せて遮光しています。
この株は斑入り品種で強い光だと斑色が悪くなるために慣らし終わってからも遮光を継続中。
遮光ネット
寒冷紗
ネット張り専用クリップ
完全に暖かくなるまで天気予報に注意する
地域によって変わってきますが、完全に春になるまでは寒暖差の激しい日はまだ続きます。
毎日の天気予報を確認して最低気温がどのくらいになるのかを把握しておくことが大切。
最低気温が5℃を切るような日があるようであれば一時的に取り込んだり、不織布をかけるなどの対策をして下さい。
実はこの気温が高い日の後の急激な寒さはアガベが低温障害を起こす原因になります。
人間でも暖かい日が続いて体が慣れた後に急に寒くなると、体がついていけず風邪を引いたりしますよね。
植物も同じで暖かい環境に慣れるように体内の状態が変化していた矢先に冬の様な寒さに当たることで葉緑体の組織が破壊されてしまい冷害のような症状が出てしまいます。
これを予防するためにも、天気予報をよく確認して気温にあった対策をしましょう。
活発に虫が動き出す前に農薬を使用する
春の虫が動き出すこの時期に農薬を使うのはとても効果的。
虫たちもまずは卵から成長していくため数が増えるまでには多少時間がかかります。
春前に農薬を使うことで害虫が繁殖して増える前に退治することができます。
農薬について!
農薬には適用というものがあります。
アガベは花き観葉に含まれるので適用が取れているものを使用して下さい。
使用する場合は使用回数や希釈倍率を必ず守りましょう。
散布する際には、必ず長袖・長ズボン、マスクやゴーグルなどを身に着けて農薬が体にかからないようにしてから散布して下さいね!
同じ農薬を使用していると抵抗を持った個体が出てきてしまうため、効果の違う農薬をローテーション散布することとされています。
アガベを屋外に出す際によくあるQ&A
Q.外に出した株が赤くなってきたけどどうして?
A. 冬の室内管理で水を切っていると根っこの機能が失われているもしくは弱くなってしまっているため太陽光の外的ストレスによって赤くなってきます。
下葉であれば新しい根っこを出す際にそのまま養分に使われて枯れてくるかもしれませんがよくあることなので問題ありません。
Q.屋外に出した株の葉にシワが寄ってきたけどどうすればいいの?
A. 太陽光があたり高温となっている場合は強すぎて葉焼け一歩手前の状態になっています。
このまま当てると完全に焼けてしまうので陽のあたらないところへ移動して下さい。
室内で一時的にサーキュレーターなどで風に当ててあげるのも効果的です。
Q.葉焼けしかけた株は外に出しちゃだめなの?
A. 症状がもとに戻れば遮光などをして前回より弱い光から慣らしていきましょう。
水切れなどでも葉焼けのしやすさは変わるので葉焼けしかけた環境を見直してみて下さい。
Q.外に出した後の水やりってどうすれば良い?
A. 完全に水を切っていた場合は根っこが機能していない場合があるので室内よりも少し水の量を多めにあげて様子を見てみて下さい。
アガベの葉が動いてくるようであれば根っこも動きだしているので鉢底から水が出るくらいたっぷりあげて大丈夫です。
その後は用土が乾いたら水やりという通常通りの管理で問題ありません。
Q.遮光ネットの遮光率ってどのくらいがいいの?
A. 環境にもよるためこれがいいというのは言い切れませんが、焼けしまうと取り返しがつかないため50%くらいの高めのものを使用してみてください。
問題ないようであれば徐々に遮光率を下げていってみましょう。
まとめ|外の環境に少しずつ慣らしながらこれからの園芸シーズンを迎えよう!
本記事では、室内のアガベを屋外に出す時の注意点と対策を解説しました。
結論!
- 屋外に移動するなら最低気温が10度以上になってから
- 急に太陽の光に当てず、少しずつ太陽光に慣らす
- 虫が動きだす春のタイミングで農薬を使用する
この3点に注意すればスムーズに園芸シーズンをスタートできると思います。
これからアガベ達がどう成長していくのかがとても楽しみですね!
春はアガベの植え替えにおすすめな時期です。
こちらの記事で植え替え方法の解説もしていますので参考にしてみて下さい!
どんな土を使えばいいかを解説
おすすめのプラ鉢を紹介しています♪
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