- なぜ赤玉土を用土に使いたくないのか
- 赤玉土を使わないメリット・デメリット
- 赤玉土を使わない配合用土の一例
- 赤玉土を使わない用土の育成例
今回、アガベの専用の用土に赤玉土を使わない配合を考え、実際に育ててみました。
「アガベに赤玉土を使わない?本当に大丈夫なの?」
そんな疑問を持つ方のために、使わない理由や実際に試した配合例、育成結果をまとめています。
結果として水やり頻度は増えますが、その分「締まった株」「劣化しない土」を作れるメリットがあったので詳しく解説していきます。
アガベの土に赤玉土を入れたくない4つ理由

赤玉土を入れたくない理由、それは最終的に排水性が悪くなるからです。
赤玉土は時間が経つと粒が崩れてドロ状になるため、水が抜けにくくなります。
排水性が悪くなると、
- 鉢から水が抜けにくくなり酸素不足になる
- 用土に隙間がなくなり根っこが育ちにくくなる
- 水に溶けやすい肥料は残らず流れ出やすくなる
- 逆に溶けにくい肥料は滞留し成分が濃くなる
なので崩れてしまう赤玉土を使わないことで、劣化しづらい用土が作れるんじゃないかと考えました。
アガベに赤玉土を使わないデメリットは水切れリスク

赤玉土を使わないことでもっとも影響が出そうなのが、保水性です。
保水性抜群の赤玉土。使わないと排水性の良すぎる用土になることが考えられます。
水が好きな植物だと、水やり頻度を増やさないと水切れを起こし、たちまち枯れてしまう可能性は高くなります。
アガベといえども、赤玉土が入っていないと枯れる可能性はゼロとは言い切れません。

使わないことで無くなった保水性は、水やり頻度を増やすことで対策できそうです。
アガベに赤玉土を使わない6つのメリット

逆にアガベに赤玉土を使わないとどんなメリットが考えられるでしょうか。
アガベに赤玉土を使わないことで
- ドロ状にならないため土が劣化しにくい
- 排水性がいいので締まった株が作りやすい
- 土の粒が崩れないので根張りがしやすい
- 肥料分の残留により根っこを痛める心配が少ない
- リン酸が吸着されないので植物に多く効かせられる
- 土の構成によっては繰り返し使うことができる
保水性が無くなるデメリットより、メリットの方が多いと考えます。
筆者が考えた赤玉土を使わない用土の配合例

赤玉土を使わない用土の配合を以下のように考えてみました。
土の種類 | 割合 |
---|---|
日向土 | 3割 |
桐生砂 | 1割 |
真珠岩パーライト | 4割 |
ゼオライト | 1割 |
園芸用木炭 | 1割 |
基本用土は日向土と桐生砂の2つ
日向土と桐生砂を基本用土にしています。
軽石よりも日向土、桐生砂の方が若干ですが水持ちがいいのでこちらを選びました。
元肥にマグァンプKを入れるので、リン酸が多くなりすぎないように少しだけ桐生砂を入れています。桐生砂にも鉄が含まれているため、リン酸を吸着します。
保水性を増やすため真珠岩パーライトを使用


赤玉土の保水性の代替え品として、真珠岩パーライトを使用します。
パーライトには真珠岩と黒曜石の2種類あり、それぞれ真逆の性質があります。
- 真珠岩…保水性をよくする
- 黒曜石…排水性をよくする
今回使うにあたって、実際に水を含ませてどのくらい保水性があるかを試してみました。
結果は思っていたより水持ちは良くなく、日向土より多少保つ程度でした。

今回は基本用土と同等の量を配合しています。
肥料分と水分調整のための木炭とゼオライト
その他、保肥性と水分の調整のため、園芸用木炭とゼオライトを1割づつ配合しました。
実際効果があるかは不明ですが、普段からいれているため今回も配合しています。
赤玉土なし用土で実際に育てたアガベの育成記録

春の植え替えのタイミングで、家にあるアガベの大半を赤玉土を使わない用土に変更してみました。
秋になりどのように成長したのか見てみましょう。
子株-中株までの大きさのアガベ


赤玉土の無い用土で育てた結果、問題なく育成できています。
一部の根張りの弱かったあまり大きくないアガベは枯れてしまいましたが、子株から何枚か葉が展開していたアガベは問題なく育成できています。




成長は早くないですが、徒長せず葉もコンパクトに成長しています。
親株から外したばかりの子株


次は春の植え替えで親株から外した発根済みの子株の様子です。
根張りの違いからか、全部が綺麗に育っているとは言えませんが、とりあえずは枯れることなく成長しています。


ですが、一部は水切れと真夏の直射日光で葉焼けしたり、うまく成長できなかった株もあります。

水はけはかなり良い用土なので、普段より水やり頻度は多い方がいいかもしれませんね。
中株程度のアガベ


1番気になる中株程度のアガベの成長具合です。
この用土で締まったアガベが作れるのか。


写真の通り、比較的葉が短く、詰まった状態に育っているのではないでしょうか。
赤玉土を使わないので水はけがよく、伸びずに比較的まとまっています。

もう少し水を切った方がボール状になるかもしれませんね。
真夏の暑さで葉が上がってしまっていますが、調子を崩すことなく育成できています。
赤玉土無し用土の水やり頻度は3・4日に一度
赤玉土無しの用土で育ててみた体感としては、真夏の水やり後、2日ほどでほぼ乾いています。なので3・4日に一度の水やり頻度がよさそうです。

私の場合は仕事の関係でなかなか夕方に水やりできなかったため、1週間ほど空いてしまったこともあります。
1週間空いてしまっても、しおれたり枯れたりしていなかったのでよっぽど長い期間、水やりを忘れたりしなければ、アガベは問題なく育つと思います。
まとめ|赤玉土を使わなくてもアガベは健康に育つ

赤玉土を使わない配合と育成例をご紹介しました。
おさらいですが、赤玉土を使いたくない理由は排水性が悪くなり、徐々に生育が悪くなるからです。
メリット | デメリット |
---|---|
ドロ状にならないため土が劣化しにくい 排水性がいいので締まった株が作りやすい 土の粒が崩れないので根張りがしやすい 肥料分の残留により根っこを痛める心配が少ない リン酸が吸着されないので植物に多く効かせられる 土の構成によっては繰り返し使うことができる | 保水性が悪くなり水やり頻度が増える 水切れにより株が枯れる |
- 向いている人:株を締めたい人、土の劣化に悩んでいる人、水やり管理を苦にしない人
- 向いていない人:水やり頻度を減らしたい人、放置気味に育てたい人
今回作成した配合例は以下の通りです。
土の種類 | 割合 |
---|---|
日向土 | 3割 |
桐生砂 | 1割 |
真珠岩パーライト | 4割 |
ゼオライト | 1割 |
園芸用木炭 | 1割 |
赤玉土を使わない用土でもアガベは問題なく育てられることが分かりました。
水やり管理が少し大変ですが、株を締めたい人や土の劣化に悩んでいる人には大きなメリットがありますよ。
アガベは丈夫な植物なので、ぜひ自分の育成スタイルに合わせて赤玉土なし用土も試してみてはいかがでしょうか。

コメントがあればどうぞ
コメント一覧 (2件)
実際の写真がたっぷりで、ことさんの植物への愛情が伝わってきます!
素晴らしい実験結果のシェア、ありがとうございます(”◇”)ゞ
>りとさん
コメントありがとうございます!
夏が過ぎていつの間にか植物もいい表情になっていました(^^