アガベの水やりってどうやればいいのかな?
いつあげればいいのかわからないしどのくらいあげればいいの?
本記事では、アガベの水やりのお悩みに答えていきます。
- アガベの水やりの仕方
- 水やりするタイミング
- 季節ごとの水やりの違い
- 水やり後に気をつけること
解説に入る前に先にこの記事の注意点を述べさせていただきます。
水やりは正直、感覚的な部分が多く解説がとても難しい項目になります。
長く育てている人でも水やりは難しいとよく耳にします。
ここで解説するのはあくまで筆者の環境での大まかな水やり方法・頻度です。
それぞれ育成環境や地域によって気温や湿度、風の有り無し等が違ってきますのでこれが正解というものはありません。
また、どういった完成形に育てたいかによっても大きく変わってきます。
あくまで参考程度と考えていただいて、自分で実際にあげてみて水やりの感覚を把握することがとても大切です。
アガベの水やりを上達するための結論としては、
- 水やりをしてみる
- 植物の状態や用土をよく見て水やりのタイミングを考える
- また水やりをする
このサイクルを何回も繰り返していくことが結果的に上達の近道です。
実際に水やりすることで、ご自身の環境での水やりのタイミングを理解することができるようになりますからね。
心配しなくても大丈夫です。
アガベは水やりが少し早かったり遅かったりしたからといって簡単に枯れる植物ではありません!
ビビらずに試してみて水やりに慣れていきましょうね。
こと
- 「ことぶろぐ」を運営
- アガベを中心に植物の育て方を発信
- アガベ・パキポディウムの育成歴3年目
- 現在100株以上の植物を育成中
- ブロガー
- アニメ・読書・筋トレ好き
【結論】アガベの水やりはメリハリが重要、気温によって頻度が変わる
アガベの水やりに関して結論から言うと、メリハリが大切です。
このメリハリというのは、土が完全に乾いたら水やりをして、水をあげたら乾くまで水やりを控えるということです。
メリハリをつけることでアガベが元気に根っこを伸ばし、光合成の効率があがってアガベが成長します。
水やりの頻度は季節によって変わってくるのですが、これは気温が関係していると感じます。
気温が高いと用土の乾燥がはやくなるため頻度が多くなり、気温が低くなると乾きにくくなるため頻度が低くなります。
アガベの水やり基本の考え方
まずはじめに水やりの基本について解説していきます。
植物を育てたこと無い方は水やりの基本の考え方もわからないと思います。
アガベに限らずどの植物でも水やりをする場合はこの3つがとても重要です。
土が乾いてから水やりをする
水やりは土がちゃんと乾いてからあげるのが基本。
これは用土を一度乾燥させることで根っこが水分を求めて根っこを伸ばす・量を増やしやすくする効果があります。
水が濡れたままの状態だと根っこは動かなくてもすぐ近くに水があるためあまり動かなくなります。
手の届くところに食べ物があれば取りに行かないですよね。
人間と同じです。
根っこの多さと植物の大きさは比例するといわれており、根っこの量が少ないと株も大きくなりません。
そのためアガベの葉数を増やす・大きくするためには根っこの量を増やすことが大切なんです。
なので、根張りを促すためにも土がちゃんと乾いてから水やりをする必要があります。
水やりをする時は鉢の底から水がでるくらいたっぷりあげる
水やりをする時はたっぷりとあげることが基本です。
このたっぷりというのは鉢底から水が流れ出るくらいあげましょう。
鉢底から水が出てこない水やりというのは用土が濡れていない場所がある可能性があります。
根っこは用土が濡れていない部分には伸びていかないため効率よく根っこを伸ばすことができません。
なので、ちゃんと用土を濡らすために鉢底から水が流れ出るくらい水やりしましょう。
水やり後は鉢底に空間を作り、用土内の水をよくきる
水やりをした後は鉢内に水が貯まらないようにしましょう。
水がずっと鉢内に残ったままでいると古い根っこが傷みだして根腐れの原因にもなります。
対策として、受け皿を使用している場合は水やり後は必ず水を捨ててください。
受け皿を使用していない場合は、鉢底穴を塞がない風通しの良い棚を使用したりして水が抜けて乾きやすいようにしましょう。
自分はベランダの棚がフラットで穴がないため
育苗箱に入れて水が抜けるように浮かしています
アガベの水やりのサインはこの5つ
水やりが必要な用土の状態とは土がちゃんと乾いてからと解説しました。
これは土の表面だけではなく土の中まで乾いていることです。
とはいっても、用土の中がどのくらい乾いているかは正直わからないですよね。
なので乾き具合を判断する方法を5つ紹介します。
1.重さが軽くなる
重さで乾いているかを判断する方法です。
これは水やり前の重さをはかっておくことで乾いているかどうかを把握します。
初心者のうちは感覚がわからないと思うので実際にはかりなどで重さを量って確認してみて下さい。
ちなみに長く育てていると持った時の重さで乾いているかわかるようになります。
同じ用土を使用していると
重さでの乾き具合はよりわかりやすくなります
2.シワが入るなど植物の状態が変わる
植物の状態を見て判断する方法です。
植物が水切れを起こしていると、葉・茎・幹などに変化が起きます。
アガベであれば葉にシワが寄る、ストレスで変色するなどの変化が起きたりしますね。
日頃から植物を観察しているとちょっとした変化を感じ取って水やりのタイミングがわかるようになります。
3.乾燥して用土の色が変わる
用土の色を見て判断する方法です。
これは赤玉土や鹿沼土が濡れると色が変わるという性質を利用したものです。
鉢底の穴が開いているタイプの鉢であれば、底にある用土を見ることで乾いているかを確認することができます。
注意点は軽石などを鉢底石として使用している場合は変化が分かりづらいということ。
この方法を取る場合は濡れると色が変わる土を鉢底にくるようにする必要があります。
4.さしておいた竹串が乾いている
土が乾燥したかを判断するために用土に竹串などをさしておくことで判断する方法があります。
竹串をさしておくと用土が濡れている場合は竹串が湿っていたり色が変化します。
逆に用土が乾燥すると通常の竹串の色に戻るので水やりをしても大丈夫というサインに。
見た目があまりよくないのが欠点ですが、乾いたか分かりづらいときに簡単に把握できます。
自分もはじめたての頃は竹串で確認していました
5.土壌水分計で確認する
一番わかりやすく間違いない方法が土壌水分計で確認する方法ですね。
どうしても水やりタイミングが分かりづらい場合には水やりチェッカーを使うのがおすすめです。
これはさすだけで土の乾き具合がわかるので初心者でも簡単に水やりのタイミングがわかります。
水やりに慣れるまで1本は持っていてもいいかもしれません。
しかし、全部にさして確認するとなると本数も必要ですし大変なので別の方法でわかるようになると水やりも楽になります。
使用期限は有機土で6-9ヶ月、無機土で9-12ヶ月
電池不要、差し込むだけで簡単に水分量をはかれます
アガベの水やりの仕方、1つ目は通常の水やり
ホースのシャワーなどを使って上から水やりをする方法です。
アガベ以外の植物でも行われる一般的な水やりのことですね。
基本的にはこの通常の水やりをしていればアガベを育てることができます。
この通常の水やりはアガベにこういった効果があります。
- 植物への水の供給
- 葉の汚れを洗い流す
- 葉についた虫を取り除く
アガベへの通常の水やりの仕方
アガベに水をかける際はなるべく葉を避けて土に直接かけてあげましょう。
これは葉に水滴を残さないようにするためで、葉に水滴を残したままにしておくとレンズ効果といって太陽の光で点状に葉焼けを起こしてしまうことがあるからです。
葉っぱに水滴がついている場合はエアーなどで水滴を飛ばしてあげると葉焼けを防ぐことができます。
また、水やりは株元にもちゃんと水が届くように何度か水やりをしましょう。
1度の水やりだと十分に用土が濡れていない場合があるからです。
特に大株や葉が充実している株は、株元に水が届いていないことがあるので注意が必要です。
数回に1回は株全体にもかけてあげる
水やりは葉を避けてと解説しましたが、数回に1回は株全体にシャワーを浴びるように水やりをしてあげて下さい。
これは、虫の予防と汚れを落とすという効果があります。
水の勢いによって物理的に虫を流すことでついていた虫を取り除けます。
自分は水やりの際に散水ノズルのジェットで
成長点周りを念入りに水をあてて虫対策をしています。
また、葉の汚れを落とすことで光合成の効率の回復が期待できます。
全体に水をかけた際も、水滴は可能な限り取り除いてあげて下さい。
自分は結構高頻度で株全体に水やりしてます。
水滴を飛ばすのは面倒ですが水やりしてる感が強くて好きです。
アガベの水やりの仕方、2つ目は越水
越水(こしみず)というのはトレーに水を貯めて、そこに鉢ごと沈めて底から吸水させる方法です。
鉢で管理している株ではよく行われる水やりの1つです。
越水のやり方
それではアガベの越水のやり方について解説していきます。
越水を行うために入れる容器を用意します。
鉢の3分の1ほど水を入れるのでそれより高ければどんな容器でも大丈夫。
複数行う場合は平たい容器を使用したほうが良いでしょう。
容器の中に越水をする鉢を並べます。
鉢を並べたら容器の中に水をいれていきます。
容器に水を張ったら越水完了。
鉢底から水が吸い上げられて用土に水が行き渡ります。
このような感じでとても簡単です。
越水の期間ですが、水を張ったら長くても2~3日までとしてください。
水は時間が経つと劣化していき腐ってくるため、長く越水をすると根腐れの原因にもなります。
越水のメリットは水切れの防止
アガベを越水すると水切れを防止するというメリットがあります。
越水は容器内に水を貯めて底から吸水させるので、容器内の水分が無くならない限り用土が乾燥していくことがありません。
そのため実生数ヶ月や子株など根っこがまだ少なく水を欲しがる株の水切れ防止になります。
どんな株に越水するの?
水やりをするならすべて通常の水やりでもOKだと思いますよね。
でも、以下の3つの場合は越水のほうが適しています。
アガベを実生(みしょう)した時
アガベを実生した時は越水での水やりが適しています。
実生というのは、アガベの種をまくことをいいます。
種が発芽するためにはある程度の温度と湿度が必要なため用土を常に湿らすために越水をすることが多いです。
実生株や根張りの弱い子株
主に実生株や発根したばかりの株、発根管理中の子株は越水をすることが多いです。
発芽したばかりの株や根やりが弱い株は、根が細く・短く・弱いため水やりの際に水圧で抜けてしまうことも。
抜けてしまうと土に指すのも難しく、場合によっては抜けたことで根の成長が止まる場合もあります。
また、葉が薄く枚数が少ないので水を貯めておくことが出来ません。
なので細かな水の管理が難しいため、実生株や根張りの弱い子株は越水で管理することが多いです。
通常の水やりが難しい株
上からの水やりが難しいのはこういう株をさします。
- 葉にトリコームがついている
- 葉が広がりすぎて水を入れる隙間がない
葉にトリコームがついている
トリコームといって葉の表面に白い粉をまとっている品種はシャワーの水圧が強すぎると粉が落ちてしまうことがあります。
このトリコームは落ちてしまうとシミのようになってしまうため、葉の見た目が悪くなります。
Q.トリコームとは?
A. 葉の表皮細胞が伸びたもので健康に育っている株によく見られます。
ワックスとも呼ばれることがあります。
効果としては
- 強い光からの防御
- 強風時の蒸散防止
- 小さな害虫や病原菌を近づきにくくする
などの効果があります。
- ドラゴントゥース
- チタノタ ブラックアンドブルー
- チタノタ ホワイトアイス etc…
葉が広がりすぎて水を入れる隙間がない
株が鉢よりも大きくなり株元の用土が見えなくなっている場合は、上からの水やりでは十分に用土を濡らすことが出来ないことがあります。
その場合には越水で水やりするのが効果的です。
目安は大きさにもよりますが30分くらいがよいと思います。
越水のデメリットと注意点
アガベを越水するとこういったデメリットもあります。
- 根腐れの原因になる
- 直射日光が当たるとお湯になり煮える
根腐れの原因になる
根腐れはアガベが枯れる原因の1つです。
一時的な越水は大丈夫ですが、数日越水したままにするとした場合は用土が常に濡れて根っこが湿っている状態になります。
用土が常に濡れていると、鉢の中の古い根が傷んでいた場合、腐りが入ってしまうこともあります。
これを根腐れといい、気づかずにそのままにしておくと根の傷みが進行して葉の方にまで影響が出てきます。
また、水も張ったまま長い間交換しないと水自体も腐るため根腐れの原因にもなります。
越水で育てる場合は定期的に水を取り替え、越水が必要でない大きさになった場合は徐々に通常の水やりに切り替えていったほうがいいでしょう。
直射日光が当たるとお湯になり煮える
アガベを越水で管理する場合は直射日光に当たる場所に置くのはやめたほうがいいです。
特に真夏の屋外は枯らすリスクがとても高くなります。
気温が30℃を越える中、直射日光が越水をしている植物に当たると水が気温と太陽の熱の効果で高温のお湯になります。
野菜を煮込んでいる状態と同じになり植物はひとたまりもありません・・・。
越水をする場合は光の当たらない場所や強めの遮光をするなど直射日光が当たらないようにする対策が必要です。
季節ごとの水やりのタイミング
ここからは季節ごとの水やりのタイミングを解説していきます。
季節によって水やりタイミングが変わるから、ちょっと迷っちゃいますよね。
そこで今回は、初心者でもわかりやすいように、季節ごとの水やりのタイミングを詳しく解説します。
土の乾き具合は環境によって変わってきますので、あくまでおおよそのタイミングになります。
気温や湿度、天気によっても用土の乾き具合は左右されるため水やりは植物など全体的によく観察してあげたほうがいいのかを判断して下さいね。
季節ごとの水やり方法へとびます
アガベがぐんぐん成長!春の水やりのコツ
春はアガベがぐんぐん育つとても楽しい時期です。
メリハリのある水やりを意識することで、さらに元気に育てられますよ。
春の水やりのポイント
- 土が乾いたらたっぷり水を与える
- 1週間に1回程度が水やりの目安
メリハリのある水やり
春は生育期なので、メリハリのある水やりを心がけましょう。
メリハリのある水やりをすることで必要な時に水を吸収して光合成により体を作り、用土が乾くことで根っこが水を求め根を伸ばします。
これを繰り返すことで根っこが充実して、水分をより多く吸収することができるようになり光合成の効率がアップします。
そのため、アガベも動きが活発になり水やりがとても楽しい時期になります。
春の水やりの頻度
育てている環境によって異なりますが、1週間に1回程度が目安です。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えましょう。
水やりの時間帯は、朝か夕方がおすすめです。
夏の水やり昼間はNG、夕方がベスト!
夏の水やりは結論から言うと、夕方の涼しい時間帯がおすすめです
夕方が無理な場合は早朝がいいと思います。
夏の水やりポイント
- 昼間に水やりはNG!
- 夕方に水やりをする
- 2-3日に1度たっぷり水やり
- 散水ホースは中の水を出してから使う
昼間の水やりはNG!
真夏の昼間は、気温が30℃を超え、鉢の中の土も熱くなります。
まるで鍋で茹でられているような状態ですね!
そこに水を与えると、高温のお湯になってしまい、植物を傷めてしまう可能性があります。
場合によっては枯れる原因にもなるので夏の昼間の水やりは避けましょう。
夕方の水やりのメリット
夏の水やりを夕方にするとこういったメリットがあります。
- 植物や鉢内の温度を下げてくれる
- 気温が下がって、水が蒸発しにくい
- 植物が水をしっかり吸収できる
- 次の日の昼まで長く時間が取れるため鉢内の水が多く抜ける
夕方に水やりをすると昼間に温められた用土や鉢を冷ましてアガベをクールダウンさせる効果があります。
また、気温も下がってくるためアガベも光合成のために、水を吸ったり二酸化炭素を取り込んだりするようになります。
なので、個人的には夏の水やりは夕方にあげるのがいいと思います。
夏の水やりの頻度
土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えましょう。
一般的には用土がとても乾きやすいため2-3日に1回程度が目安です。
ただし、植物の種類や鉢の大きさ、置き場所によって変わるため調整してください。
散水ホースを使う場合の注意点
ホースの水は、先に水を出して水が冷たくなってから使用しましょう。
昼間に日光で温められたホースの中の水は、熱湯になっていることがあります。
そのままかけてしまうとアガベに熱湯をかけることになり枯らす原因にもなります。
アガベが再びグングン成長!秋の水やりのコツ
秋は、アガベが2度目の生育期を迎える嬉しい季節です!
春と同じように、メリハリのある水やりを意識することで、さらに元気に育てられます。
秋の水やりのポイント
- 土が乾いたらたっぷり水を与える
- 1週間に1回程度が目安
- 残暑や気温の変化に注意
- 最低気温15℃を目安に、水やりの頻度を調整
メリハリのある水やり
春と同じくメリハリのある水やりが大切です。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えましょう。
水やり後は蒸れづらいようによく水をきってください。
秋の水やりの頻度
育てている環境や用土の乾き具合によって異なりますが、1週間に1回程度が目安です。
あくまで目安になりますので土の乾き具合をよく確認してから水やりをして下さいね。
水やりの時間帯は、朝か夕方がおすすめです。
残暑と気温の変化に注意
近年は残暑が厳しく、秋が短い傾向があります。日差しや気温が高いうちは夏の水やりを行いましょう。
また、秋は段々と冬が近づいてきて気温が下がってくる季節でもあります。
気温が下がってくると用土も乾きづらくなってくるので水やりの頻度も少なくなってきます。
また、最低気温が15℃を切ると、アガベの成長が鈍化してきます。
水やりの頻度を徐々に減らし、冬に備えましょう。
最低気温と水やりの頻度の参考
平均的な最低気温 | 水やりの頻度 |
---|---|
~15℃ | 通常の水やり頻度(1週間に1回程度) |
15℃~10℃ | 水やりの頻度を少なくする(1週間に1回から間隔をもっと開ける) |
10℃以下 | 水やりをやめる(屋外管理の場合、冬越しの準備) |
冬の水やり、アガベは減退期で水やりは極力少なく
冬の水やりは管理する場所や育成方法によって大きく変わってきます。
冬は気温が下がりアガベの成長が鈍化してくる時期。
この時期は屋外で管理している株は水切れでダメにするよりも冷害によって株をダメにすることが多いです。
水やりをすると用土内の水分と一緒に根っこも凍結してしまい、根の細胞が破壊され機能を失ってしまいます。
当然、根がダメになると水分が吸えなくなり植物は枯れてしまいます。
冬の水やりポイント
- 水やり頻度は少なく
- 屋外管理しているものは断水でも大丈夫
- 簡易温室は極力使わない
- 設備が整っているなら通常の水やりもOK
ここからは、
この5つのパターンでの水やりを解説していきます。
また、筆者がどのように屋内でアガベを管理しているかも紹介しますね。
ちなみに耐寒性が高く地植え向きのアガベもご紹介しています。
実際にちゃんと越冬出来ている品種ばかりですのでよかったら参考にしてみて下さい。
屋外での管理、地植え株の水やり
屋外での地植え株は断水で大丈夫です。
地中には少なからず水分が含まれています。
足りなくなれば地中から必要な量を吸収しています。
また、アガベは葉に水分を蓄えているのですぐに水切れを起こして枯れてしまうことはありません。
育成を初めて2回冬を経験しましたが、
水やりしなくても健康に冬を越えました
屋外での管理、鉢植えの株の水やり
屋外にある鉢植え株は地植えと同じく水を切っても大丈夫です。
ただ、地植えと違い土の量が少ないためよく観察する必要があります。
水切れにより葉にシワが寄ってきている場合は昼間の気温をよく確認して、数日暖かい日が続く日を狙って水やりをして下さい。
この時の水やりは通常と同じくたっぷりとあげて下さい。
また水やりをした後は特に、夜間の気温低下により霜や凍結の恐れがでてきます。
夜の間だけ屋根がある場所に移動する、または不織布などをかけて霜や凍結を予防してあげる必要があります。
画像の株達は不織布をかけただけで
ずっと外で冬を乗り切りました!
屋外での管理、簡易温室内の株の水やり
屋外に設置している簡易温室内の株の管理は正直とても難しいです。
それはなぜかというと、簡易温室のように棚にカバーをかけると温度調節がとても難しいからです。
カバーをかけることで昼間は高温になり、夜間は急激に気温が下がり低温になります。
この昼間と夜間の大きな気温差が一番厄介で、アガベが傷んで駄目になる原因になるんです。
日中は太陽光で温められて簡易温室内の温度が高温になります。
温度計ではかってみたら外気は10℃以下でも
温室内は40℃以上あり高温になっていました。
逆に夜は一気に気温が下がり温室内も温度が下がります。
カバーをかけてあるから温度が保たれて大丈夫と思われがちですが、実は温室内の温度はほとんど外気の温度とかわらないんです。
そこに水やりをすると、気温が上がった時は蒸れでダメになりやすく、下がった時は凍結でダメにしやすいとどちらにしても水やりによるリスクがとても高くなるんです。
個人的には簡易温室はカバーを外して通常の棚として使用したほうがいいと思います。
その際は水やりは鉢管理の株と同じ方法をとったほうがいいですね!
2023年の冬に実際に簡易温室を試してみましたが
数株冷害が出たため最終的に室内に取り込みました。
屋内での管理、設備が整っている場合の水やり
室内でもアガベを育てられるように設備を整えた状態ですね。
特に風があり、ある程度棚の気温が高く、用土がちゃんと乾くかが重要です。
この場合は、春・秋と一緒とまではいかないですがそれなりに成長が期待できると思います。
そのため頻度としては1・2週間に1度、きちんと用土が乾いたら水やりをしてあげて下さい。
時間帯はできればなるべく暖かい日の日中がいいと思います。
屋内管理で必要な設備
- 育成ライト
- サーキュレーター
- 植物専用ヒーター
- 保温するための断熱シート
このへんの設備が揃っていれば、冬でもアガベを育成することは可能です。
その代わり電気代はそれなりにかかるので
よく考えて検討してください。
屋内での管理、設備を整えていない場合の水やり
どうしても設備にお金をかけたくない!という場合での水やりの考え方を解説します。
結論からいうと、
- 生きている根を枯らさないようにするイメージで月に1度水やりをする
- 断水する
といったなるべく水やりを減らした管理をしたほうがいいでしょう。
水やりをするなら晴れていて比較的暖かい日を選びましょう。
また、水やりをした後は少し外に置きなるべく用土の水をきっておきます。
室内で水やりをする場合は受け皿に水を残さないように捨ててください。
設備の無いこの状態は、言うなら室内にとりあえず取り込んでいる状態になりますね。
設備が整っていないと、
- 用土はなかなか乾きづらい
- 光も当てていないので水やりにより徒長するリスクもある
- 室内でも寒いため植物の動きは鈍くなる
このような環境になると思います。
そのため、「育てる」という管理をしてしまうと株の形が崩れてしまったり傷んだりしてしまいます。
なので、月1での水やりもしくは断水をして冬を乗り切ることに重点置きましょう。
筆者の冬の屋内管理の水やり例
簡単な例ですが筆者の屋内での育成環境と水やりタイミングをご紹介。
筆者は仕事柄同じタイミングでの水やり時間が取れないため5日に1度のスパンで用土の乾き具合を確認して乾いている時に水やりをします。
見たタイミングで用土が乾いていない場合は無理に水やりをしません。
室内で水やりしているのでトレーに株をおいてジョウロで1つずつ上から水やりをしています。
水やりをした後は水を張っていないトレーに移動し少し水をきってから棚に戻しています。
株の数はそこまで多くないですが1時間弱くらい時間をかけて
水やりしています。
筆者の冬の室内育成環境
- パネル型育成ライトを使用(1棚に1つ)
- 小型サーキュレーター1機を24時間稼働
- 無加温
- 保温対策なし
アガベへの水やりの役割
水やりは植物が成長するために絶対に必要なことです。
アガベに限らず、植物は根っこから水を吸って光合成をすることで成長していきます。
光合成によって根っこから水を葉の気孔から二酸化炭素を吸収し、光の中のエネルギーを使ってとりこんだ2つを合成して有機物(デンプン)と酸素に変えます。
光合成によって作り出された有機物は植物の体をつくる元になるんです。
なので、水が無いと光合成ができないということになりますね。
また、植物は体内の約80~90%が水分でできています。
ほぼ水分でできているため不足すると枯れてしまう原因になります。
水やりは、植物が生命を維持するためにも成長するためにも必要不可欠なことなのです。
アガベの生態を知ることで水やりのイメージを理解する
アガベを育てるにあたって生態や生息環境を知ったほうが水やりのイメージがしやすいのではないでしょうか。
アガベは品種によって様々ですが、大体は乾燥地帯や山岳地帯に生息しています。
急な斜面や崖のくぼみなどでも根を張って育つ強靭な植物です。
そのため少ない用土でも枯れないように葉に水分を蓄えています。
なので乾燥にも強い植物なんです。
しかし、乾燥に強いからといってほとんど水やりしなくてもOKという訳ではありません。
適切に水やりをすることでアガベを健康的に成長させることができます。
もう少し詳しく知りたい場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
水やりの後の注意点
アガベの水やりをした後には注意が必要です。
水やりによって起こる悪影響もあり、気づくのが遅れてしまうと株に大きく被害が出てしまうことがあります。
アガベの水やり後にはこういった点に注意してください。
根腐れ
水やりによって根っこに腐りが入ってしまうことです。
原因として考えられるのが
- 土が古く腐っている
- 肥料により根が傷んでいる
- 極端な乾燥により根っこが傷んでいる
- 根っこが酸欠を起こしている
こういった点です。
根腐れを起こすとアガベに影響がでてきます。
症状は下葉から調子が悪くなることが多いです。
根腐れについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
株の蒸れ
気温が上がってくると蒸れに注意が必要です。
蒸れやすい時期は初夏~秋くらいまで。
鉢内が常に湿っていて気温や湿度が高い日が続くとアガベは蒸れによって傷みます。
上記の画像のように成長点が茶色や黒くなっている場合は蒸れの影響が出ているかもしれません。
蒸れてしまった部分は元に戻らないため、切除するなりの対策をしないと段々と傷みが広がってしまいます。
この株は成長点をえぐりました。
深くまで影響がでてなかったためなんとか助かりました。
用土は常に濡れた状態にせず、できるだけ乾燥させることで蒸れの予防になります。
水やりをした後は鉢内の水をよくきって風通しの良い場所で管理してください。
徒長
徒長とはアガベが本来の葉よりも細長く間延びしたように成長してしまうことをいいます。
観賞価値が下がるだけではなく、病害虫が発生しやすくなったりという問題も引き起こします。
水やりが徒長の直接の原因ではありませんが、
- 日照不足
- 風通しが悪い
- 過剰な肥料分
などの育成環境が悪い状態のアガベに水やりをすると、形が崩れたまま成長してしまい徒長してしまいます。
徒長しないようにするには日当たりと風通しが良い場所で、規定量より少なめの肥料を与えるなど育成環境を整えてあげることで水やりによってアガベが健康に育ちます。
水やりにおすすめな関連商品
水やりの際に便利な商品をご紹介します。
散水ホース
コンパクトで場所の取らない散水ホースです。
巻取りハンドル・持ち手・散水ノズルや蛇口に繋ぐコネクターも収納できるオールインワン収納でスッキリ。
ずっと握らなくても1度カチッと握るだけで水が出てもう1度握ると止まるので疲れません。
散水ノズルは可変式なので水やりしやすくなっています。
金属製のホースリールとノズルなので耐久性がとても高いです。
脚が取り付け・取り外しが可能。
脚をつけると高さがでてハンドル位置が高くなるので巻取りやすいです。
ホースの劣化を防ぐカバーは着脱式でホースを洗うこともできます。
見た目もおしゃれでお庭に置きっぱなしでも映えます。
液肥希釈キット
広範囲に散布するのに時間がかかる・液肥を薄めるのが面倒といったお客様の声から生まれた製品。
自動でハイポネックスを250倍に希釈して散布することができます。
使い方は本体にハイポネックス原液をボトルごとセットするだけ。
本体のレバーで液肥と水のみを切り替えることが出来るので、そのまま通常の水やりをすることも可能。
希釈用の空ボトルも付属されているので、倍率を変えて散布することもできるんです。
推奨はされていませんが別の液肥にも使用可能なので株をたくさん持っていて液肥をよくあげる方におすすめです。
アガベの水やりQ&A
Q.アガベの成長点に水はかけないほうがいいの?
A. かかっても問題はありません。
野生のアガベは雨がガンガンあたっても大丈夫なので問題はないです。
ただ、園芸という鑑賞を目的として育てているため成長点付近に水が溜まったままにしておくとトリコームが剥がれたり、レンズ効果で葉焼けしてしまうと見た目が悪くなるため葉に当てないほうがいいと解説しました。
エアーで飛ばすなど後のケアをする分にはジャバジャバと水やりしたほうが健康に育つと思います。
Q.アガベは毎日水やりしても大丈夫?
A. 生育具合によっては毎日水やりしても問題がないと思います。
逆に小さいので大きくしたい株、子株や実生株などのまだ根も葉も十分に育っていない場合は水切れを起こす場合もあるため毎日水やりや越水をすることもあります。
ただ、水やり頻度が多いことで葉が伸びて形が崩れたり根腐れするというリスクも少なからずあるため注意が必要です。
Q.アガベが水を吸う時間っていつなの?
A. アガベは夜に水を吸うといわれています。
アガベはCAM型植物といって、通常の植物とは違った光合成をします。
どういう点が違うのかというと、夜間に二酸化炭素を吸収するために気孔を開きます。
これは生息地が乾燥した場所であるため、日中に気孔を開くと体内の水分を取られてしまうことから変化しました。
それを防ぐために夜に開くようになったのです。
この二酸化炭素を取り込む時に、根からも水分を吸収しているためアガベは夜に水を吸うといわれています。
Q.越水はいつまでやったらいいの?
A. 種から発芽した実生株の場合は2~3ヶ月経って本葉が出てきたくらいまでが良いと思います。
また、通常の水やりができない場合の越水は、30分程度で表面の土が濡れてくれば大丈夫です。
Q.アガベは梅雨の時期に水やりは控えるべきですか?
A. 通常の梅雨で雨が多い場合は水やりを控えたほうがいいです。
アガベは比較的乾燥した用土を好むので梅雨で天気の良い日が少ない、雨の日が多い場合は水やりをしないほうが良いと思います。
空梅雨(からつゆ)で雨が少ない場合は天気を確認したうえで用土の乾き具合をみて水やりをしてあげてください。
まとめ|水やりは土が乾いてからあげる。これを守れば水やりはとても簡単!
ここまで色々と解説してきましたが、最終的な結論は
水やりは土が乾いたらあげる
これさえ守れば問題なく、アガベを健康的に育てることができます。
また、水やりの頻度は
気温が高いほど多くなり、低いほど少なくなります。
そして、水やり後は
に注意してください。
アガベの育成期間が長くなるほど水やり経験も増えていきます。
最初はよくわからない、上手くいかないと思うかもしれませんが最初から上手にできる人はいません。
何度も水やりをしてみてアガベの成長を確認することを繰り返していけば、段々と自分なりの水やりの仕方が出来るようになると思います。
長い趣味になると思いますので焦らず楽しんでいきましょう!
この記事が誰かの参考になったら嬉しいです。
アガベの育て方に関する記事はこちら
コメントをどうぞ